日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-08] 日本地球惑星科学連合の将来に向けた大会参加者からの意見と提言

2019年5月30日(木) 13:45 〜 15:15 101 (1F)

コンビーナ:浜野 洋三(神戸大学海洋底探査センター)、田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、和田 浩二(千葉工業大学惑星探査研究センター)、隅田 育郎(金沢大学 理工研究域 地球社会基盤学系)、座長:和田 浩二(千葉工業大学惑星探査研究センター)、隅田 育郎

15:03 〜 15:15

[U08-07] 日本地震学会のJpGUの運営に関するアンケート結果をふまえた提言

*山岡 耕春1 (1.名古屋大学環境学研究科附属地震火山研究センター)

キーワード:日本地震学会、開催期間

日本地震学会(以下SSJ)は、現在のJpGUの前身となった学会グループの最初のメンバーです。このグループは、SSJを含むいくつかの学会で構成され、それまでは毎年4月上旬に独立に開催されていた大会の代わりに、合同大会を3月から4月に開催することにしました。このような歴史的な状況の中で、SSJは、秋の大会に加えて、JpGUの大会をSSJの定例大会の1つとみなしています。そのため、毎年開催されるJpGUのセッションには、SSJのメンバーが秋季大会と同じセッションを提案しています。
 学会は、会員が学会に参加することで広い意味で恩恵を受けることが期待できるかぎり存在できます。同様にSSJのような学協会メンバーもJpGUに参加する恩恵を期待して参加しています。 JpGUは日本の地球惑星科学(地球科学とも呼ばれる)の学術界を代表するものとして期待されており、日本の社会における認識と認識を高めるためのものです。特に高校教育における地球科学の地位は、日本列島の地質学的不安定性にもかかわらず、依然として低いままです。地球の過程の複雑さ、不可逆性、そして再現不可能性に取り組むことを必然的に必要とする地球科学の学術的な特徴は、繰り返し実験をすることが可能な実験室における研究とは異なります。このような地球惑星科学分野の重要性と特徴を社会だけでなく他の分野にも理解してもらうべく情報発信するのもJpGUの役割です。JpGUは、従来の学術的境界を越えたセッションの運営などのよって、共同研究を奨励する役割もあります。
 そのようなJpGUの機能ですが、その結果としての連合大会のあり方については、時に反対意見が表明されます。 最近SSJのメンバーの一人が、JpGU会議は長すぎる、高すぎる、英語言語に媚びている、として、JpGU連合大会の運営に反対意見を表明しました。最初の2つ主張は大学の最近の状況変化から来ています。大学のスケジュールはますます厳しくなり、時間的予算的に大会参加にかける余裕がなくなってきています。SSJではそのような意見が一般的かどうかを調べるためにアンケートを実施しました。その結果、回答の2/3がJpGU連合大会へ参加することに満足を表明しているものの、回答の半分は先の会員の意見を支持しています。少なくとも、JpGU期間中のセッションの関連セッションの日程調整についてはさらなる努力と工夫が必要でしょう。それでも、90%の回答は、独立した学会の大会では実現できないJpGUセッションを支持しています。科学界では英語は事実上の共通語であり、好むと好まざるに関わらず日本の定期的な大会においても英語言語によるセッションを行うことは必要でしょう。
 JpGUに期待されるもう一つの機能は、学協会間のコミュニケーションの機会を提供することです。最近の多くの社会では、特に若い世代のメンバーが徐々に減少し、財政的にも厳しさが増しています。事務局機能の共有は、財政への対策の一つかもしれません。学協会の合併も解決策になります。学術の発展という共通目的のために、JpGUと各学協会との関係、また学協会間の関係のありかたを探る必要があります。