JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS01] ⾼性能スーパーコンピュータを⽤いた最新の⼤気科学

コンビーナ:瀬古 弘(気象研究所)、三好 建正(理化学研究所)、小玉 知央(独立行政法人海洋研究開発機構)、滝川 雅之(独立行政法人海洋研究開発機構)

[AAS01-11] 高解像度大気モデルとAIを用いたサブグリッド運動量輸送効果のパラメタリゼーション

★招待講演

*刀祢 晴菜1佐藤 正樹2伊藤 純至2 (1.東京大学大学院理学系研究科、2.東京大学大気海洋研究所)

キーワード:高解像度大気モデル、機械学習、パラメタリゼーション

高解像度全球非静力学モデルNICAMによるシミュレーション結果からサブグリッド運動量輸送効果を直接計算し、その結果を利用して機械学習(いわゆるAI)を用いた熱帯域のサブグリッド運動量輸送効果のパラメタリゼーションを試みた。水平格子間隔14kmのNICAM計算によるメソ循環を直接解像した30日分の計算結果を用いて、22.5N-22.5Sの熱帯域の5.625度×5.625度格子におけるサブグリッド効果を評価する。サブグリッド擾乱による平均運動エネルギーの生成量Eとサブグリッド擾乱によるシア生成量Sを評価する。

機械学習(AI)として、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用し、パラメタリゼーションするグリッドおよびその周辺の9格子における水平速度( u,v) 及び地表面温度 Tを入力することで、EおよびSの鉛直プロファイルを推定する。ここでは、出力として4層における正負の分布で単純化した16パターンから1つ選択する。

テストデータに対する学習済みAIによるE・Sの鉛直プロファイルパターンの予測正解率は20~25%程度となり 、一か月平均した気候場的な特性として、直接計算によって得られた正負の水平分布パターンをおおまかに再現することができた。