JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC39] 雪氷学

コンビーナ:縫村 崇行(東京電機大学)、石川 守(北海道大学)、舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学)、永井 裕人(早稲田大学 教育学部)

[ACC39-P06] 天山山脈北部地域の氷河起源型岩石氷河の地表面変動

*奥山 駿1奈良間 千之1高玉 秀之2 (1.新潟大学、2.株式会社パスコ)

キーワード:岩石氷河、山岳永久凍土、差分干渉SAR、イメージマッチング、天山山脈

岩石氷河は山岳永久凍土の指標地形として知られており,表面は巨礫を主体とする岩屑が覆い,内部は氷と岩屑が入り混じる永久凍土で構成される.氷河と同様に内部氷の塑性変形によって流動する周氷河地形の一つである.岩石氷河は,岩屑と内部氷の供給源の違いから「崖錐起源型」と「氷河起源型」に分類される(松岡, 1998).「崖錐起源型」は背後の岩盤から供給された礫で形成された崖錐に残雪や地下水が永久凍土の供給源となり発達するタイプである.「氷河起源型」は岩石氷河の上流部に氷河が存在し,氷河氷や氷河からの融解水が供給源となり発達するタイプである.「崖錐起源型」の岩石氷河は世界的に見られ研究事例も多いが,「氷河起源型」の岩石氷河は分布地域も限られ,その発達過程は明らかでない.本研究では,天山山脈北部地域のキルギス山脈において,「氷河起源型」の岩石氷河において差分干渉SAR解析とイメージマッチング解析を用いて表面流動の水平成分を分離し,「氷河起源型」の表面流動の特徴を考察した.