JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG45] 熱帯インド洋・太平洋におけるマルチスケール大気海洋相互作用

コンビーナ:小坂 優(東京大学先端科学技術研究センター)、Sang-Wook Yeh(Hanyang University)、堀井 孝憲(海洋研究開発機構 戦略研究開発領域 地球環境観測研究開発センター)、Hiroki Tokinaga(Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University)

[ACG45-P01] TRMM3G68, GSMaP, LIS, WWLLNで観測された熱帯における降水量と雷日周期

★招待講演

*見延 庄士郎1朴 隼赫1Virts Katrina 2 (1.北海道大学大学院理学研究院、2.アラバマ大学)

キーワード:層積雲デッキ、位相伝播

日周期変動は、気温、風、降水量、雷などの条件における主要な大気変動の一つです。日周期変動の中でも降水と雷は,ともに対流と関わるため密接に関連している。したがって先行研究でも,日周期変動をよりよく理解するために,降水と雷の日周期変動の比較が行われてきた.しかし,それらの比較研究は地域研究にとどまっており,降水と雷の日周期データが利用可能な全球熱帯の比較研究は未だ行われていない.さらに、それらの先行研究で用いられた降水データは主に赤外線(IR)衛星観測から得られたものであり,IRデータにおける日周期には約3時間の遅延バイアスがあることが知られていいるため,日周期位相の比較が不正確である。そこで本研究は、全球熱帯における降水と雷の日周期の共通性と相違を理解することを目的とする.



降水データとして主に解析するのは,降水レーダーとマイクロ波画像データのみで構成されるTRMM3G68データセットの降雨率で、それとの比較のためにIRデータが使われているGlobal Satellite Mapping of Precipitation (GSMaP)の降雨率も用いる.またTRMM 搭載のLightning Imaging Sensor(LIS)で観測された雷のフラッシュ率,地上の電波観測での雷を推定するWorld Wide Lightning Location Network(WWLLN)の雷ストローク率のデータを利用する.前者は雷を宇宙から観測するため,雲間放電をよく捉えるのに対して,後者は強い電波を放射する雲・地上放電を主として測定する.



平均値に対する日周振幅で定義される相対震幅は、一般的に降水量よりも雷が大きい。興味深いことに南東太平洋の層積雲デッキの相対振幅は,典型的な海洋地域におけるよりも強い。こ GSMaPの位相は、やはり上述のIRデータの日周期位相遅延の問題により、TRMM3G68に比べて遅れている。全てのデータセットで明瞭な日周期が見られる領域では,日周期のピークは、TRMM3G68、LIS、およびWWLLNの順に生じ,また大陸で14:00から18:00 LSTの間に、海洋地域で0:00から7:00 LSTの間に発生する傾向がある。太平洋およびインド洋の降水では、赤道外に向かう位相伝播が見られます。またいくつかの沿岸地域では、沖に向かう日周期の位相伝播が生じることが知られており,そこでの伝播する距離はTRMM3G68降水が最も長く、WWLLN雷、LIS雷の順に短くなる.メキシコ湾流上の夏季の日周期も沖向きへの位相伝播を示すが、沿岸地域とは異なって湾流上で振幅が強化される特徴があり,湾流が日周期の変調に重要な役割を果たしていることが明瞭である.また梅雨期の東シナ海の黒潮上での日周期の振幅の強化は,先行研究で報告された降水のみならず雷についても確認された.