JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG54] 陸域生態系の物質循環

コンビーナ:加藤 知道(北海道大学農学研究院)、市井 和仁(千葉大学)、伊勢 武史(京都大学フィールド科学教育研究センター)、寺本 宗正(鳥取大学乾燥地研究センター)

[ACG54-P04] 深層学習を利用した竹林拡大の広域把握と生態系の炭素蓄積に与える影響

*大庭 ゆりか1伊勢 武史2 (1.京都大学学際融合教育研究推進センター、2.京都大学フィールド科学教育研究センター)

キーワード:深層学習、竹林、炭素蓄積

竹林の拡大は日本各地で大きな問題となっている。特に関東以西の温暖な地域では、里山生態系に竹林が急速に拡大することで、生物多様性の維持などの生態系サービスの低下が現実化している。日本中に自生する木本性のタケ類は、実はそのほとんどが外来種だと考えられている。これまで竹林は、カゴやザルなど生活雑貨の素材となる貴重な資源として植栽され管理されてきたが、近年の工業製品の台頭により、里山で放置されることとなった。竹は地下茎によって増殖し、その繁殖力はきわめて高い。広葉樹などを圧倒し、数年で里山の生態系を大きく変えることも多い。本研究では、近年注目されている深層学習による画像識別技術のひとつこま切れ画像法を用いることで、Google Earthなど無償の航空写真を対象とした低コスト・広範囲でリアルタイム性の高い竹林識別を実施する。これにより、近年の竹林の拡大のダイナミクスを定量化する。さらに、シナリオベースでの解析を行い、竹林マネジメントごとの生態系の炭素蓄積量の変化を明らかにする。