JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG56] 沿岸海洋生態系─2.サンゴ礁・藻場・マングローブ

コンビーナ:梅澤 有(東京農工大学)、宮島 利宏(東京大学 大気海洋研究所 海洋地球システム研究系 生元素動態分野)、渡邉 敦(笹川平和財団 海洋政策研究所)、樋口 富彦(東京大学大気海洋研究所)

[ACG56-01] マングローブ林立地変動の全体像把握に向けて

★招待講演

*宮城 豊彦1馬場 繁幸2井上 智美3赤路 康朗3趙 学群3古川 恵太4 (1.国立環境研究所(客員)・東北学院大学名誉教授、2.国際マングローブ生態系協会、3.国立環境研究所、4.PEMSEA)

キーワード:マングローブ林分布、気候変動、グリンインフラ、ダイレクトセンシング

潮間帯の森林生態系であるマングローブ林では、「気候変動による温暖化が進行する過程で様々な変化が生じるのではないか」と言われている。例えば熱帯亜熱帯の沿岸生態系は、温暖化に伴う海面上昇や台風、高潮・高波による被害の増大が懸念され、と同時に干潟に形成される樹林群であることから、上記のような被害を軽減する防波堤の役割も果たすのではないかと言われている。台風、高潮・高波の際には、マングローブ樹林群による波の緩衝によって後背地にある村への被害が抑えられたという報告が数多くあり、近年は、温暖化適応策としてのマングローブ生態系保全やマングローブ植林(グリーンインフラ・ブルーカーボン)が積極的に進められている。そのような中で、マングローブ生態系による沿岸保護機能の具体的な評価のための科学的な知見の集積が急務となっている。マングローブの分布状況を具体的に把握するためのマッピングは必須の基盤整備であり、これを地域レベルでの生態系機能評価に適用するためには、(i)実装で活用できる解像度の、(ii)誰もが見て(可視化)確認(理解)できる地図情報化が望ましい。
本課題では、沿岸生態系(マングローブ)が有する気候変動適応策の効果を定量的に把握するための基礎(地図情報)を整備することを目指し、全球規模ダイレクトセンシングによるマングローブ林域の図化を進めている。