JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG57] 北極域の科学

コンビーナ:庭野 匡思(気象研究所)、鄭 峻介(北海道大学 北極域研究センター)、中村 哲(北海道大学大学院地球環境科学研究院)、小野 純(東京大学大気海洋研究所)

[ACG57-P12] サヘルの対流変動がもたらす北半球中高緯度への遠隔影響

*中西 友恵1立花 義裕1安藤 雄太1 (1.三重大学大学院生物資源学研究科)

キーワード:テレコネクション、積雲対流活動、ロスビー波、波列パターン、線形回帰

北半球中高緯度地域における異常気象の要因の一つに,北極振動(AO)や太平洋・北米(PNA)パターンなどのテレコネクションパターンがある.これらの形成要因として,熱帯海洋上の積雲対流活動に伴う大気中層の熱源がよく研究されている.一方,陸上の対流はほとんど注目されていない.しかし,陸上の対流に伴う熱源のピーク位置は高く,加熱量が小さいながらも中高緯度の波列パターンを形成する要因として重要である可能性がある.
そこで,北アフリカのサハラ砂漠南縁に位置する半乾燥地帯「サヘル」に着目した.雨季には非常に背の高い対流が立ち,その年々変動は激しい.本研究では,サヘルの対流変動に伴う熱源がもたらす中高緯度への遠隔影響について,北半球規模で解明することを目的とする.線形回帰分析および線形傾圧モデル実験の結果より,9月のサヘルの対流変動が,ユーラシア大陸を東西に横断する波列パターンの形成に影響を与えていることが示唆された.