JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG58] 航空機・無人機観測による地球惑星科学の推進

コンビーナ:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、小池 真(東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻)、町田 敏暢(国立環境研究所)、篠田 太郎(名古屋大学宇宙地球環境研究所)

[ACG58-06] 気球浮揚無人航空機観測が示した夏季南極成層圏の硝酸を含むエアロゾルの直接的証拠

*林 政彦1東野 伸一郎2岡田 拓也3長崎 修司2尾塚 馨一4 (1.福岡大学理学部、2.九州大学、3.九州大学大学院、4.日本タングステン)

キーワード:気球浮揚無人航空機、グライダー、高層大気観測、夏季南極成層圏、硝酸エアロゾル

小型ゴム気球と滑空型小型無人航空機を組み合わせた高層大気観測プラットホームを開発し、夏季の南極成層圏の観測に成功した。開発したシステムでは、小型滑空無人航空機を小型ゴム気球で高度20~30kmまで飛揚させ、目的高度で自動で気球から無人航空機を分離する。成層圏の大気は希薄なために現時点では、気球分離高度で自動制御によって滑空させることが困難である。滑空制御が確立している高度までパラシュートで降下させ、目的高度でパラシュートを分離したのちに、自律制御滑空により目標地点(地上基地)に帰還させる。この新しいプラットホームに成層圏エアロゾル観測用光散乱粒子計数装置、エアロゾルサンプラー、気温・湿度観測装置を搭載した。第56次南極地域観測隊により南極大陸上S17航空拠点 (69°01.50'S, 40°06.50'E, 607m a.s.l.) において観測を実施した。2015年1月24日に実施した観測では、気球とパラシュートをそれぞれ高度23km、高度12kmで分離し、夏季の南極成層圏のエアロゾル粒径分布の鉛直分布の観測、成層圏エアロゾルを採取、回収に成功した。光散乱粒子計数装置による観測では、通常の濃度より高濃度の3つの層からなる成層圏エアロゾル層が観測された。2014年2月14日に噴火したKelut火山の影響である可能性がある。また、回収した成層圏エアロゾルサンプルに対する電子顕微鏡を用いたニトロン試薬薄膜法による硝酸イオンの同定によると、-45℃程度の高温にもかかわらず夏の南極成層圏に硝酸イオンを含む1umより小さいエアロゾルが存在してたことが示唆された。