JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW33] Prediction of water and sediment dynamics from small to large scales

コンビーナ:横尾 善之(Fukushima University)、浅野 友子(東京大学)

[AHW33-P01] 沙流川水系パンケヌーシ川流域における2016年8月豪雨による土砂動態の定量評価

*秋田 寛己1水垣 滋1村上 泰啓1 (1.国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所)

キーワード:斜面崩壊、河岸侵食、衛星画像解析、正規化植生指数、レーザープロファイラ計測

本研究は、2016年8月17日~31日に来襲した4つの台風に伴う豪雨により斜面崩壊と河岸侵食が多発した北海道沙流川水系パンケヌーシ川流域(95.8 km2)を対象に、衛星画像解析およびレーザープロファイラ(LP)計測により流域の土砂動態を定量的に明らかにすることを目的とした。流域全体の新規崩壊地・河道かく乱範囲は、豪雨前後の2時期の衛星画像から計算した正規化植生指数(NDVI)を用いて抽出した。河道のかく乱が顕著な中下流域の本川河道周辺ではLP計測を実施し、豪雨前後2時期(2012年および2019年)の地形変化量を調べた。流域全体の新規崩壊地は197個で、そのうち155個(79 %)は24時間雨量300 mm以上の降雨が集中した上流域の火成岩エリアに分布していた。LP計測を実施した中下流域の新規崩壊地(57個)のうち、約9割が崩壊深2 m未満の表層崩壊であった。個々の崩壊地からの生産土砂量と崩壊地面積との間に見られる累乗関係から推定した流域全体の崩壊生産土砂量は約47 万m3、崩壊地内での堆積土砂量は約7万 m3と推定され、約40万 m3が河道に供給された可能性が考えられた。中下流域の河道では、侵食土砂量は約100万 m3と推定され、河道内堆積量(約33万 m3)の約3.0倍、主に上流域で発生した表層崩壊による生産土砂量の約2.0倍大きいことがわかった。これらのことから、対象流域では2016年8月豪雨イベントによる下流への土砂流出において、斜面崩壊のみならず、河岸侵食の影響がきわめて大きかったことが示された。