JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW34] 同位体水文学 2020

コンビーナ:安原 正也(立正大学地球環境科学部)、風早 康平(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、大沢 信二(京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設(別府))、浅井 和由(株式会社 地球科学研究所)

[AHW34-P07] 岩木山の地下水の滞留時間推定

浅井 和見1井岡 聖一郎2、*浅井 和由1 (1.株式会社 地球科学研究所、2.弘前大学)

キーワード:岩木山、地下水年代、トリチウム、CFCs、SF6

津軽富士と呼ばれる岩木山は、弘前市の北西に位置する第四紀成層火山(標高:1625m)である。成層火山らしい山容を保っており、津軽平野に接する北方向から東方向には裾野が発達している。安山岩質の溶岩とその砕屑岩から構成される山体の透水性は高く、岩木山にもたらされた雨や雪の多くは、一旦山体内に浸透した後に、標高500m以下の山麓部から湧水として流出している。本研究では、岩手山の山体内の地下水の流動速度や貯留量の特徴を把握することを目的として、年代トレーサー(3H, CFCs, SF6)を利用して地下水の滞留時間推定を行った。現地調査は2018年と2019年の秋に実施し、山麓部の湧水10地点、深井戸1地点から試料を採取した。CFCsとSF6の分析の結果、CFC山麓湧水の見かけの涵養年代は、CFC-12に基づくと1980年代、SF6に基づくと1990年代となり、20年から30年程度の比較的長い滞留時間を有していることが分かった。また深井戸のCFCs, SF6濃度は山麓湧水よりも顕著に低く、見かけの滞留時間は40年以上と見積もられた