[AHW36-P02] 都市域における水循環機構を把握するためのマルチトレーサー法の開発
キーワード:都市域、水循環、マルチトレーサー、PPCPs、人工甘味料
都市域では,水循環機構が量的・質的に複雑に変化する.都市化に伴う農地の減少や,コンクリートやアスファルトによる地表面の被覆,河道の改修に伴う河床の被覆,下水道網の整備等は,水循環フラックスを減少させる.これに対して,上下水道からの漏水は面的に生じるため,水循環フラックスを増加させる要因となる。また漏水は,地表水・地下水の質を変化させる要因ともなる。一方,都市域における地下水開発は,地下水流動系を大きく改変させ得る.これらの変化の在り方は,都市域の規模や発展段階等に応じて様々である.
このような都市域の水循環機構を把握するために,主要溶存成分や環境同位体など様々なトレーサーが用いられてきた.しかし,その手法が十分に確立されたとは言い難い.その要因の1つとして,都市域の水循環機構が絶えず変化していることが挙げられ,都市化に伴う変化の履歴を踏まえた評価が必要である.筆者らは,従来のトレーサーに加え,新たにPPCPsや人工甘味料をトレーサーとする手法の開発に取り組んでいる.日本では,これまでに様々な人工甘味料が用いられてきたが,時代とともに主要な人工甘味料が変化してきた.この特徴から,人工甘味料がトレーサーとしてだけでなく年代指標としても利用できる可能性がある.本発表では,手法開発の概要について報告する.本研究は,JSPS科研費19K12293-00の助成を受けたものである.
このような都市域の水循環機構を把握するために,主要溶存成分や環境同位体など様々なトレーサーが用いられてきた.しかし,その手法が十分に確立されたとは言い難い.その要因の1つとして,都市域の水循環機構が絶えず変化していることが挙げられ,都市化に伴う変化の履歴を踏まえた評価が必要である.筆者らは,従来のトレーサーに加え,新たにPPCPsや人工甘味料をトレーサーとする手法の開発に取り組んでいる.日本では,これまでに様々な人工甘味料が用いられてきたが,時代とともに主要な人工甘味料が変化してきた.この特徴から,人工甘味料がトレーサーとしてだけでなく年代指標としても利用できる可能性がある.本発表では,手法開発の概要について報告する.本研究は,JSPS科研費19K12293-00の助成を受けたものである.