JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS18] 陸域と海域をつなぐ水循環と、沿岸域の海洋循環・物質循環

コンビーナ:木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、田中 潔(東京大学)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)、速水 祐一(佐賀大学)

[AOS18-12] 気候値モデルと総観モデルを用いた南シナ海流動変化に対するENSOの影響解析

*高浦 育1内山 雄介1梶川 義幸2中山 昭彦3 (1.神戸大学、2.理化学研究所計算科学研究センター、3.UTAR)

キーワード:南シナ海、ENSO、HYCOM-ROMS

ENSOを伴う南シナ海およびその周辺海域における海洋流動構造の年々変動について,気候値モデルと総観モデルによる比較数値実験によって評価した.両モデルは境界条件,初期条件に水平解像度1/12度のデータ同化全球海洋再解析値HYCOM+NCODAを用いた領域海洋循環モデルROMS(水平解像度5km)によるシングルネストモデルをベースとした.総観モデルでは海上風,各種海表面フラックス,大気や河川との淡水フラックス,潮汐について実際の状況に近い条件を与え,El Niño期を含む2012年から2015年までの4年間を計算対象とした.一方,気候値モデルはHYCOM+NCODAや外力データに気候値を与えることによってENSOの影響を排除することに成功した.両モデル出力を比較することによって,北上する黒潮のルソン海峡での流入や,南シナ海と周辺のスールー海,セレベス海,ジャワ海との海水交換などの南シナ海の流動変化に及ぼすENSOの影響について評価した.