JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS21] 海洋と大気の波動・渦・循環力学

コンビーナ:田中 祐希(福井県立大学)、古恵 亮(APL/JAMSTEC)、久木 幸治(琉球大学)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)

[AOS21-P03] 漂流ブイによる波浪推算モデルの検証

*久木 幸治1 (1.琉球大学)

キーワード:波高、漂流ブイ、波浪モデル

波浪推算モデルにはブイデータなどによる現場観測データによる検証が必要である。ところがブイによる検証は, 沿岸域の波浪計や係留式波浪ブイなどに限られている。外洋の陸から遙か遠い海域や, 流れが強い海域での検証は不可能である。そこで気象庁漂流ブイによる波浪推算モデルの検証を行った。波を強制する風データはERA Interim風データで空間分解能は0.75度である。2017年から2018年にかけて波浪推算を行った。気象庁漂流ブイによる波高と推算波高の相関は0.9程度であった。波高については太平洋域も日本海についても推算値は観測値と良い一致を示した。一方, 周期については, 特に日本海では良い一致を示さなかった。これは吹送距離が短いため, 低分解能の推算モデルでは波浪スペクトルを正確に再現できなかったことによると考えられる。次に流れを考慮した波浪推算モデルによる推算結果と, 漂流ブイによる波浪データを比較した。その結果, 波浪推算の精度が向上することが示された。また流れの水平シアーの効果, 相対風の効果などの, 波浪推算の精度向上への寄与を調べた。その中では相対風の効果が最も大きかった。