[AOS27-P01] 栄養塩分析の不確かさ評価
キーワード:栄養塩、不確かさ、認証標準物質
栄養塩は、海洋の物質循環の起点となる植物プランクトンの光合成を制御しているほか、光合成や有機物分解を通して溶存酸素や二酸化炭素と関係が深く、その時空間分布は物質循環の理解に有用である。海水中の栄養塩濃度の変動は、物理および生物過程の変動を反映するため、表層の炭素循環や深層の物質循環の指標として用いられてきた。しかし、栄養塩には標準物質が存在しないことから比較可能性が確保できず、時空間変動の理解は進まなかった。
海水中の栄養塩の認証参照物質(CRM)が10年ほど前から利用可能となった。栄養塩CRMを適切に使用すれば、比較可能性が確保できるだけでなく、不確かさの評価が可能となる。また、不確かさを用いれば、データ間の差について有意性を検討できるため、変動の検出に有効である。気象庁では、2010年度から栄養塩分析の高精度化に取り組んだ際、精度管理を目的に栄養塩CRMを導入した。これにより、測点間だけでなく航海間のデータ比較可能性が確保できるようになった。本発表では、気象庁でルーチン的に行っている栄養塩分析の精度管理の現状を紹介すると共に、不確かさの要因とその評価について考える。また、近年顕著な酸素減少が確認されている日本海を例として、栄養塩濃度の変化が不確かさを考慮して検出できるか検討する。
海水中の栄養塩の認証参照物質(CRM)が10年ほど前から利用可能となった。栄養塩CRMを適切に使用すれば、比較可能性が確保できるだけでなく、不確かさの評価が可能となる。また、不確かさを用いれば、データ間の差について有意性を検討できるため、変動の検出に有効である。気象庁では、2010年度から栄養塩分析の高精度化に取り組んだ際、精度管理を目的に栄養塩CRMを導入した。これにより、測点間だけでなく航海間のデータ比較可能性が確保できるようになった。本発表では、気象庁でルーチン的に行っている栄養塩分析の精度管理の現状を紹介すると共に、不確かさの要因とその評価について考える。また、近年顕著な酸素減少が確認されている日本海を例として、栄養塩濃度の変化が不確かさを考慮して検出できるか検討する。