[AOS29-02] 国連海洋科学の10年とは何かを海洋科学の今と将来への期待から考える
キーワード:国連海洋科学の10年、気候変動予測の10年、海洋生態系保全の10年、臨海実験所、日本学術会議
海洋は今、気候変動や海洋汚染および海洋生態系破壊が深刻であり、それらが人間社会に及ぼす影響が懸念されている。このままでは持続可能な地球の将来の危機である。この認識のもとで日本学術会議は、2019年3月6日にS20共同声明「海洋生態系への脅威と海洋環境の保全‐特に気候変動及び海洋プラスチックごみについて‐」を出し、海洋問題に対して科学の果たす役割の重要性を世界に発信した。これに続く同年6月のG20大阪サミットでは、追加的な汚染をゼロとする目標が掲げられ、海洋プラスチックごみ対策実施の枠組作りの合意に至っている。
2021年から始まる国連の「持続可能な開発のための海洋科学の10年」に向けて海洋科学とその関連分野の研究者は何をすべきであろうか。ひとつは海洋科学コミュニティーの結束であり、国連の海洋科学の10年に向けた行動の周知とその理解である。そこで、日本学術会議の海洋生物学分科会は最近2つの活動を行った。ひとつは、SCOR分科会と共に笹川平和財団海洋政策研究所の協力を得てシンポジウム「国連海洋科学の10年-One Oceanに向けて-」を主催した。ここでは、気候変動と海洋生態系保全を2大テーマとし、海洋科学の現状と今後10年で実施すべき観測と研究の推進および社会科学との協働について議論し、さらに国連海洋科学の10年で期待される6つの成果との関連た。もうひとつは、マスタープラン2020への提案「海洋生物科学の研究ネットワークの構築 ―持続可能な海の将来に向けてー」である。国連海洋科学の10年の実施に向け沿岸域の海洋観測の充実と海洋科学と地域社会との関係強化の観点から今後も提案していきたい。本発表では、前述のシンポジウムの総括および提案からみえてくる国連海洋科学の10年に向けた課題について考える。
2021年から始まる国連の「持続可能な開発のための海洋科学の10年」に向けて海洋科学とその関連分野の研究者は何をすべきであろうか。ひとつは海洋科学コミュニティーの結束であり、国連の海洋科学の10年に向けた行動の周知とその理解である。そこで、日本学術会議の海洋生物学分科会は最近2つの活動を行った。ひとつは、SCOR分科会と共に笹川平和財団海洋政策研究所の協力を得てシンポジウム「国連海洋科学の10年-One Oceanに向けて-」を主催した。ここでは、気候変動と海洋生態系保全を2大テーマとし、海洋科学の現状と今後10年で実施すべき観測と研究の推進および社会科学との協働について議論し、さらに国連海洋科学の10年で期待される6つの成果との関連た。もうひとつは、マスタープラン2020への提案「海洋生物科学の研究ネットワークの構築 ―持続可能な海の将来に向けてー」である。国連海洋科学の10年の実施に向け沿岸域の海洋観測の充実と海洋科学と地域社会との関係強化の観点から今後も提案していきたい。本発表では、前述のシンポジウムの総括および提案からみえてくる国連海洋科学の10年に向けた課題について考える。