JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-BC 生物地球化学

[B-BC03] 地球惑星科学 生命圏フロンティア

コンビーナ:高野 淑識(海洋研究開発機構)、鈴木 庸平(東京大学大学院理学系研究科)、加藤 真悟(国立研究開発法人理化学研究所)、福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)

[BBC03-P07] 酸化物によるモリブデン吸着挙動:モンゴル・エルデネト地域の河川中におけるモリブデンの動態解析

*奥山 晃浩1Solongo Tsetsgee1福士 圭介2 (1.金沢大学、2.環日本海域環境研究センター)

キーワード:モリブデン、フェリハイドライト、表面錯体モデリング

モンゴル・エルデネト地域の河川のモリブデン濃度変動はフェリハイドライトの吸着脱離反応によって引き起こされている可能性がある。本研究ではフェリハイドライトのモリブデン吸着実験を行い、表面錯体モデリングを用いモリブデン濃度の吸着挙動予測モデルを構築した。吸着実験の結果はpH7までの酸性条件ではほぼ完全に吸着していたが、pH7を超えると脱離がはじまり、pH10ではほぼ完全に脱離する。吸着データは拡張三重層モデル( Extended triple layer model)を用いてパラメータ化した。1つの外圏錯体(>SOH2+_HMoO4-)と2つの内圏錯体(>S(OH)2MoO3(H2O), >S(OH)2MoO3OH-)を使用した。これらの錯体はフェリハイドライトのモリブデン吸着の分光学結果と一致する。分配係数Kdをエルデネト地域の河川-堆積物で観測された測定値と比較するために計算した。測定値の変化の傾向が理論モデルによってとらえられた。本研究はエルデネト地域の河川のモリブデン濃度の環境挙動がフェリハイドライトのモリブデン吸着脱離の影響を受けている可能性を示唆する。