[G02-05] 自然災害と防災教育:埼玉大学における防災教育の取組事例
★招待講演
キーワード:防災教育、ハザードマップ、避難想定
埼玉大学では2015年度の教育学部の改組にともない「自然災害と防災教育」の講義が開講された。当該の講義は、教育学部の必修科目ではない。開講当初の受講者数は少なかったが、現在では広範な専攻から約50名の学生が受講している。このため、講義の進め方に工夫を要し、柔軟な発想の大切さと主体的な授業参加を意識して進めている。
15回の講義構成のうち、初回ではまず防災の定義を確認させる。授業内でのインターネット利用を認め、調べた複数のサイトからの共通表現、すなわち、「地形変化の事象のうち人間活動に害をもたらすもの」を認識させる。この段階で、防災教育の根源にあるものは地形変化へのきちんとした理解であり、その基礎概念の修得の重要性を説く。
次に、学生自身の実家やアパート、あるいは、興味ある地域におけるハザードマップを入手させ、その考察内容を発表スライドにまとめる課題を課す。その後、数回に分けて1人ずつ発表させる。個人の負担はそれほどでもないが、全員が発表することで多くの地域のハザードマップにおける十人十色の解釈が集まるので興味深い。これらを災害の種類ごと(水害、斜面災害、地震災害、火山災害など)に分けつつ、専門的な観点からの補足を入れる。その後は、グループでの調べ学習を行う。この頃には、1年生は大学生活にも慣れ、上級生は彼らのリード役にまわることが多い。その際、地理院地図や今昔マップなどの利用を学生たちに勧め、役に立つ主題図や過去の空中写真などを紹介する。これらの地図情報は、大半の学生たちには初めての出会いであり、土地利用の変遷に驚くことが多い。学生自身が様々な観点から学んだ内容をグループ発表させる。
当講義の終盤では、大学近隣への巡検を行う。埼玉大学の近くには旧河道も多くあるが住宅地に覆われているため、慣れないと判別が難しい。実際に歩きながら、小さな水路などの構造物の存在理由が水害対策であったことなどを説明する。このような経験は、学生自身が卒業後に教員として配属された学校でも、町探検などの授業で役立つと考える。さらに、最後の課題として、避難想定をさせる。この頃には地形図やハザードマップにも多少慣れてくるので、例えば地震が起った場合の避難方法や経路などの具体的な想像をさせる。
このような構成で防災教育の講義を進めているが、出身地や学んできた環境などが様々な学生が受への進め方には工夫を要する。初等中等教育のうちに深く学んできた学生には容易な課題であっても、バックグラウンドのない学生には難しい内容と感じていることが多い。学生にとって高効率で多くの知識を得られ、かつ飽きずに参加できる講義のあり方について情報交換できる機会が求められる。
15回の講義構成のうち、初回ではまず防災の定義を確認させる。授業内でのインターネット利用を認め、調べた複数のサイトからの共通表現、すなわち、「地形変化の事象のうち人間活動に害をもたらすもの」を認識させる。この段階で、防災教育の根源にあるものは地形変化へのきちんとした理解であり、その基礎概念の修得の重要性を説く。
次に、学生自身の実家やアパート、あるいは、興味ある地域におけるハザードマップを入手させ、その考察内容を発表スライドにまとめる課題を課す。その後、数回に分けて1人ずつ発表させる。個人の負担はそれほどでもないが、全員が発表することで多くの地域のハザードマップにおける十人十色の解釈が集まるので興味深い。これらを災害の種類ごと(水害、斜面災害、地震災害、火山災害など)に分けつつ、専門的な観点からの補足を入れる。その後は、グループでの調べ学習を行う。この頃には、1年生は大学生活にも慣れ、上級生は彼らのリード役にまわることが多い。その際、地理院地図や今昔マップなどの利用を学生たちに勧め、役に立つ主題図や過去の空中写真などを紹介する。これらの地図情報は、大半の学生たちには初めての出会いであり、土地利用の変遷に驚くことが多い。学生自身が様々な観点から学んだ内容をグループ発表させる。
当講義の終盤では、大学近隣への巡検を行う。埼玉大学の近くには旧河道も多くあるが住宅地に覆われているため、慣れないと判別が難しい。実際に歩きながら、小さな水路などの構造物の存在理由が水害対策であったことなどを説明する。このような経験は、学生自身が卒業後に教員として配属された学校でも、町探検などの授業で役立つと考える。さらに、最後の課題として、避難想定をさせる。この頃には地形図やハザードマップにも多少慣れてくるので、例えば地震が起った場合の避難方法や経路などの具体的な想像をさせる。
このような構成で防災教育の講義を進めているが、出身地や学んできた環境などが様々な学生が受への進め方には工夫を要する。初等中等教育のうちに深く学んできた学生には容易な課題であっても、バックグラウンドのない学生には難しい内容と感じていることが多い。学生にとって高効率で多くの知識を得られ、かつ飽きずに参加できる講義のあり方について情報交換できる機会が求められる。