[G04-11] 東京都市大学自然科学科の10年 -新学科設置のその後
キーワード:大学、自然史、学芸員課程、教職課程、野外実習
1929年創立の武蔵工業大学は、2009年に系列の東横女子短期大学を統合して、東京都市大学として再出発した。この際に、数学・物理・化学・生物・地学の基礎教育担当教員により、この大学では初めての理学系の学科・自然科学科が立ち上げられ、定員25名の学科としてスタートした。
自然科学科のコンセプトは、「自然科学に関する総合的な見識と健全な判断力を有し、教員、学芸員、出版人、放送人等として、科学技術と一般社会の架け橋となる人材の育成を目的とする。」というもので、中学校・高等学校の数学及び理科の教育職員免許状と、学芸員資格の取得が可能であることが特徴となっている。カリキュラムの上では、数学・物理・化学・生物・地学を偏りなく学ぶとともに、実験科目、野外実習科目を重視しており、さらに表現技法の習得を視野に、学芸員課程科目を専門科目に組み込んでいる。このため、数学・理科の教職資格を20~30%が、また学芸員資格は60~70%の学生が取得し卒業している。
入試偏差値は当初は低かったが年々上昇し、合格最低点が学内最高になることもあった。2017年度から、定員が25名から60名に増加したため、偏差値や倍率が一時的に落ち込んだが、2019年度には回復し、2020年度から改組される理工学部の中で、上位を占めている。特にセンター利用入試の人気が高く、国立大学との併願が目立っている。2020年度からは大学院に自然科学専攻が設置され、本学科教員が指導を担当する。
卒業生の進路については、企業就職が60%~70%を占めており、就職希望者に対してほぼ100%の就職率を実現している。大学院進学者は20~30%、教員・公務員は10~20%である。
現在、地球科学系学科を新設する可能性は限られているが、総合自然科学の教育研究を目指す場合に地球科学を軸として学科を組み立てることは、より可能性が高いように思われる。その一つの例として、このような学科の10年にわたる変化を振り返りながら、現代の自然史学の大学教育展開の可能性、あるいは新学科をつくることに伴って生じる問題、中学校・高等学校との連携、生涯教育や普及活動に関わる問題などをあぶり出し、検討したい。
自然科学科のコンセプトは、「自然科学に関する総合的な見識と健全な判断力を有し、教員、学芸員、出版人、放送人等として、科学技術と一般社会の架け橋となる人材の育成を目的とする。」というもので、中学校・高等学校の数学及び理科の教育職員免許状と、学芸員資格の取得が可能であることが特徴となっている。カリキュラムの上では、数学・物理・化学・生物・地学を偏りなく学ぶとともに、実験科目、野外実習科目を重視しており、さらに表現技法の習得を視野に、学芸員課程科目を専門科目に組み込んでいる。このため、数学・理科の教職資格を20~30%が、また学芸員資格は60~70%の学生が取得し卒業している。
入試偏差値は当初は低かったが年々上昇し、合格最低点が学内最高になることもあった。2017年度から、定員が25名から60名に増加したため、偏差値や倍率が一時的に落ち込んだが、2019年度には回復し、2020年度から改組される理工学部の中で、上位を占めている。特にセンター利用入試の人気が高く、国立大学との併願が目立っている。2020年度からは大学院に自然科学専攻が設置され、本学科教員が指導を担当する。
卒業生の進路については、企業就職が60%~70%を占めており、就職希望者に対してほぼ100%の就職率を実現している。大学院進学者は20~30%、教員・公務員は10~20%である。
現在、地球科学系学科を新設する可能性は限られているが、総合自然科学の教育研究を目指す場合に地球科学を軸として学科を組み立てることは、より可能性が高いように思われる。その一つの例として、このような学科の10年にわたる変化を振り返りながら、現代の自然史学の大学教育展開の可能性、あるいは新学科をつくることに伴って生じる問題、中学校・高等学校との連携、生涯教育や普及活動に関わる問題などをあぶり出し、検討したい。