JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG28] 原子力と地球惑星科学

コンビーナ:笹尾 英嗣(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 東濃地科学センター)、幡谷 竜太(一般財団法人 電力中央研究所)、竹内 真司(日本大学文理学部地球科学科)

[HCG28-04] 日本列島沿岸部地質・地下水環境モデル構築のためのデータベース

*丸井 敦尚1古林 慧一2羽根 幸司3樽澤 春菜1天野 大和2森川 誠司3升元 一彦3田部井 和人3 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2.株式会社 地層科学研究所、3.鹿島建設 株式会社)

キーワード:地層処分、沿岸部、データベース、モデリング、解析

国は2017年に科学的特性マップを発行し、日本列島内での地層処分事業の実現に向けて対話活動を実施してきた。著者も地層処分技術WGのメンバーとしてマップ作製や対話活動にかかわった経験を踏まえ、沿岸部の重要性や課題を認識すると同時に、これを発信しなければならないと考えている。沿岸部における事業を行う際に、先ずは既存データによる概念モデルを作成し、地域を概観する必要があるが、陸域と海域では(当然ながら)データの密度や品質に差異が生じる。また、日本列島沿岸域を画一的な視点で概観するためには、公的機関が発行するデータをデータベース化し、だれもが同じ観点で地質・地下水環境を3次元的に理解できるようなシステムを構築しなければならない。さらに、その後に続く詳細な調査から得られる詳細モデル(工学設計のために必要な要件を盛り込んだモデル)についても、陸域と海域では調査精度に差が生まれることを克服する手法の構築が必要である。
 本研究では、我が国の(とりわけ沿岸部に関わる)データ整備の状況を踏まえ、沿岸部地質環境データベースを構築している。このデータベースでは沿岸部の3次元的な地質をふまえて、地下水流動を解析することを目指しており、先ずはデータベースの作成を実施した。その後に続くモデリングについては「沿岸部における3次元地質モデルの構築」、解析については「沿岸部の地層処分における概念モデルを用いた広域地下水流動解析」において詳細を発表する。