[HCG30-04] 考古地磁気学による考古学・文化財科学への貢献
キーワード:考古地磁気学、考古学、文化財科学
地球科学における古地磁気学は岩石や堆積物に記録された過去の地磁気情報を復元する分野で、過去の地磁気の推定の他にも非常に広い応用がされてきた。古地磁気学が扱う試料は、天然でできた物質だけでなく人工的に加熱されたものでも問題がないため、過去の人間が熱を加えた物質(いわゆる考古学上の被熱資料)に対して行うことも可能である。このような過去の遺物・遺跡を対象に古地磁気学的な手法を用いた研究を考古地磁気学(Archaeomagnetism)とよび、第二次世界大戦前後に欧州や日本で始まった。
考古地磁気学ではおおよそ古地磁気学で用いるものと同様の測定法や解釈テクニックを用いて、遺物・遺跡に対する測定と解析を行い、過去の地磁気の様子のほか、年代推定、被熱温度推定、遺跡が動いたかの推定等を行う。対象となる物質は焼成された土器の欠片のほか、それを焼成した窯跡、炉跡、火事跡、たき火、等である。とくに日本では、窯跡・炉跡の床面を用いた考古地磁気方位測定が発達し、精細な地磁気の永年変化がわかってきた。強度については、測定が困難であることに加え、対象となる試料(土器片)の入手性から他の国と比べ数が少なかったが、近年になって新しい手法を導入し測定が行われるようになってきた。
本講演では、主に国内における考古地磁気学研究を紹介し、「見えるもの」・「見えそうなもの」の可能性を議論する。また、我々の最近の成果も紹介する。
考古地磁気学ではおおよそ古地磁気学で用いるものと同様の測定法や解釈テクニックを用いて、遺物・遺跡に対する測定と解析を行い、過去の地磁気の様子のほか、年代推定、被熱温度推定、遺跡が動いたかの推定等を行う。対象となる物質は焼成された土器の欠片のほか、それを焼成した窯跡、炉跡、火事跡、たき火、等である。とくに日本では、窯跡・炉跡の床面を用いた考古地磁気方位測定が発達し、精細な地磁気の永年変化がわかってきた。強度については、測定が困難であることに加え、対象となる試料(土器片)の入手性から他の国と比べ数が少なかったが、近年になって新しい手法を導入し測定が行われるようになってきた。
本講演では、主に国内における考古地磁気学研究を紹介し、「見えるもの」・「見えそうなもの」の可能性を議論する。また、我々の最近の成果も紹介する。