JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG31] 海岸低湿地における地形・生物・人為プロセス

コンビーナ:藤本 潔(南山大学)、宮城 豊彦(㈱アドバンテクノロジー)

[HCG31-P04] マングローブ林の分布実態をダイレクトセンシングで把握すると何が分かるか

*宮城 豊彦1馬場 繁幸2井上 智美3赤路 康朗3趙 学群3古川 恵太4柳沢 英明5 (1.国立環境研究所(客員)・東北学院大学名誉教授、2.国際マングローブ生態系協会、3.国立環境研究所、4.PEMSEA、5.東北学院大学)

キーワード:マングローブ林、全球ダイレクトセンシング、インドシナ半島

この数年は可視画像からのデジタル3次元・正射画像化・低価格高精度の画像取得・処理技術など、センシングツールの新展開が顕著である。一方で、発表者らのグループは半世紀近くも世界のマングローブ生態系を調査してきた。
 発表者らは、全球ダイレクトセンシングと称して、マングローブ林分布域の全海岸を目視観察し、そこにある林の分布実際と、それは、何処に、どのように、何故、あるのか、無いのかを把握する企画を進めている。潮間帯上半部に森林生態系を創り出すマングローブ生態系は、地球環境の激変が指摘され中で、グリンインフラ・ブルーカーボンと言われる機能をも注目されるようになっている。全球ダイレクトセンシングは、この作業の基礎(背景)としてリモートセンシングによる高ピクセルDB、広域の現地経験、GISによる様々な関連環境要素DBを踏まえており、その成果は地域の様々な関係者が現場で確認すること、また様々な政策を構想する際の縁となれるよう集計表示の仕方を工夫することとしている。既に東・東南・南アジアの分布ポリゴン化が進展しているが、ここでは、その一例として東南アジアのベトナムを中心とする沿岸域でのマングローブ林の分布把握作業を例に、現場経験が豊かな研究者集団がダイレクトセンシングを行うことの意義について紹介したい。