[HDS12-03] 紀伊山地における深層崩壊の発生年代
キーワード:深層崩壊、炭素14年代測定、高解像度地形図
深層崩壊は地形形成プロセスのひとつである.深層崩壊発生箇所の周辺には多くの深層崩壊の跡地が認められる場合が多く,地域単位でみると過去から繰り返し深層崩壊が発生してきたと考えられる.しかし,ひとつの流域や山地で,過去に深層崩壊が時間的,空間的にどの程度の割合で発生してきたかを明らかにした研究は少ない.これは,C14年代やテフロクロノロジーを用いて深層崩壊の年代を決定することが困難なためである.近年,LiDARによる高精度地形データにより,深層崩壊跡地周辺の詳細な地形情報が得られるようになった.紀伊山地では,2011年の紀伊半島大水害,1953年の有田川を中心とした紀州大水害,1889年の十津川大水害等の大規模な土砂災害が発生している.
本研究では,紀伊山地を対象に,高精度地形データを用いて有史以前の深層崩壊跡地やその堆積物を判読した.そして,崩壊によって樹木が土砂に閉じ込められた可能性が高い箇所について,その堆積物から年代測定が可能な分析試料を採取し,崩壊発生年代を特定した.
21箇所の深層崩壊地において年代測定を行ったところ,古くは8,000~29,000年から深層崩壊が発生していることがわかった.西暦1,000年以降では,1,300年代,1,500年代,1,700年代に分析結果が集中しており,100~200年程度の周期で大規模土砂災害が発生している可能性が高い.
本研究では,紀伊山地を対象に,高精度地形データを用いて有史以前の深層崩壊跡地やその堆積物を判読した.そして,崩壊によって樹木が土砂に閉じ込められた可能性が高い箇所について,その堆積物から年代測定が可能な分析試料を採取し,崩壊発生年代を特定した.
21箇所の深層崩壊地において年代測定を行ったところ,古くは8,000~29,000年から深層崩壊が発生していることがわかった.西暦1,000年以降では,1,300年代,1,500年代,1,700年代に分析結果が集中しており,100~200年程度の周期で大規模土砂災害が発生している可能性が高い.