[HDS12-P07] KiK-net観測点におけるフーリエスペクトルの地表地中比からみた山地における地震動増幅特性 -地震による斜面崩壊に関する基礎研究-
キーワード:地震動、KiK-net、増幅特性、フーリエスペクトル、伝達関数
地震による斜面崩壊のメカニズム解明には、山地における地震動増幅特性の解明が不可欠である。1995年兵庫県南部地震以降、全国約700箇所に配置されたKiK-net観測点には観測用の井戸を掘削し、地表と地中(井戸底)の双方に設置した強震計で鉛直アレーを構成しており、20年以上の地震観測記録が蓄積されている。そのうち、山地における14観測点でとらえた中小地震データと、山地ではない観測点でとらえた多数の地震崩壊の誘因となる地震データを組み合わせることで、山地における地震動増幅特性の検討を試みた。
手順としては、まず、各観測点においてPGAが20gal以上の加速度記録を収集し、地震ごとに地表と地中のNS・EW・UD成分のフーリエスペクトル解析を行い、3成分合成スペクトルを求める。次に、周波数ごとに求めた地表/地中スペクトル比を増幅比スペクトルとし、全地震の算術平均値を観測点における平均増幅比スペクトルとする。これは一種の伝達関数とみなすことができる。
分析の結果、地震による斜面崩壊と関連する可能性がある以下のことがわかった。
地震の規模に対して、地表スペクトル、地中スペクトルは大きく変動するものの、増幅比スペクトルはそれほど変わらない。平均増幅比スペクトルは卓越周波数や増幅特性など観測点に特有の指標となると考えられる。 山地における観測点の多くでは、1Hz付近での平均増幅比は1程度で、地震動はほとんど増幅しない。 山地における観測点は、(A):卓越周波数(5~10Hz)が比較的明瞭で平均増幅比が10以上の相対的に揺れやすいグループ(B):卓越周波数が不明瞭で平均増幅比は10未満の相対的に揺れにくいグループ(C):中間的なグループの3つに分かれる。
手順としては、まず、各観測点においてPGAが20gal以上の加速度記録を収集し、地震ごとに地表と地中のNS・EW・UD成分のフーリエスペクトル解析を行い、3成分合成スペクトルを求める。次に、周波数ごとに求めた地表/地中スペクトル比を増幅比スペクトルとし、全地震の算術平均値を観測点における平均増幅比スペクトルとする。これは一種の伝達関数とみなすことができる。
分析の結果、地震による斜面崩壊と関連する可能性がある以下のことがわかった。
地震の規模に対して、地表スペクトル、地中スペクトルは大きく変動するものの、増幅比スペクトルはそれほど変わらない。平均増幅比スペクトルは卓越周波数や増幅特性など観測点に特有の指標となると考えられる。 山地における観測点の多くでは、1Hz付近での平均増幅比は1程度で、地震動はほとんど増幅しない。 山地における観測点は、(A):卓越周波数(5~10Hz)が比較的明瞭で平均増幅比が10以上の相対的に揺れやすいグループ(B):卓越周波数が不明瞭で平均増幅比は10未満の相対的に揺れにくいグループ(C):中間的なグループの3つに分かれる。