JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM02] Geomorphology

コンビーナ:八反地 剛(筑波大学生命環境系)、瀬戸 真之(福島大学うつくしま福島未来支援センター)

[HGM02-P03] 岩盤河川の地形発達プロセス:モデル実験

*高瀬 裕太1遠藤 徳孝1 (1.金沢大学大学院)

キーワード:岩盤河川、隆起、モデル実験、地形

河川地形の発達の理解は、過去の地形の復元や、将来の地形変化の予測に役立つ。岩盤河川は沖積河川よりも研究が進んでいないため、岩盤河川地形のさらなる研究が必要である。岩盤強度と地形的特徴の関係性は以前から論じられているが、自然河川では様々な要因が不規則に変化するため、2つの明確な関係性は分かっていない。

本研究では、河川地形に働く要因をコントロール可能な、1本流路のモデル実験を通して、複雑かつ多様な要因らの関係性を調査する。また、地形の時間変化を観察して、河川地形の発達プロセスの解明を目指す。本研究で主にコントロールする要因は、地形隆起および岩盤強度である。解析対象は、谷幅、河床勾配、蛇行度、侵食速度である。

各要因の相関図は自然の河川地形と同様の分布を示した。高い侵食速度は急勾配の河床でよく見られる。蛇行度の高い地形では侵食速度が低い傾向を示した。これらの分布傾向は隆起中に顕著に示された。隆起イベントが長く続いた実験では、隆起イベントが短い場合の実験と比べて蛇行度が低い傾向を示した。一方で、河床勾配は隆起の違いによって大きく変化しなかった。河床勾配は岩盤強度に強い依存性を持っている可能性がある。

今後、岩盤強度や隆起パターンを組み合わせた実験を積み重ねていき、両者の影響性を研究していく。