[HGM03-P12] 2009年に防府地区で発生した崩壊にみられる過去の山地荒廃の影響
キーワード:表層崩壊、土地荒廃、ハゲ山、放射性炭素年代、機械学習
2009年7月21日の豪雨によって山口県の防府地区では多数の表層崩壊が発生した。本研究では、崩壊発生に与えた、地形、植生、雨量等の地理条件の影響について、機械学習(ランダムフォレストと決定木)を用いて推定を行った。崩壊発生に対する影響度が最大の因子は植生高であった。崩壊の多くはヒノキ幼齢林やシダ草原を伴う疎林で発生していた。後者については、過去からの人為的な火入れの影響を受けて成立したと考えられる。
多くの崩壊は、花崗岩質の堆積物で埋積された小規模な谷地形で発生していた。堆積物の放射性炭素年代は13世紀~17世紀頃であり、この地域では近世期に激しい土砂生産を伴う土地荒廃が進行したことを示唆している。GIS解析の結果崩壊の多くはハゲ山から10~30m離れた場所で起きており、ハゲ山からもたらされた土砂の貯留が2009年の崩壊発生に影響を与えたことを示唆している。これらの結果は、防府地区で2009年に発生した表層崩壊が、過去の火入れや土地荒廃などの人為の影響を強く受けた形で発生したことを物語っている。
多くの崩壊は、花崗岩質の堆積物で埋積された小規模な谷地形で発生していた。堆積物の放射性炭素年代は13世紀~17世紀頃であり、この地域では近世期に激しい土砂生産を伴う土地荒廃が進行したことを示唆している。GIS解析の結果崩壊の多くはハゲ山から10~30m離れた場所で起きており、ハゲ山からもたらされた土砂の貯留が2009年の崩壊発生に影響を与えたことを示唆している。これらの結果は、防府地区で2009年に発生した表層崩壊が、過去の火入れや土地荒廃などの人為の影響を強く受けた形で発生したことを物語っている。