[HSC07-P08] ガスハイドレート生成による海底下貯留CO2の漏洩抑制効果の数値的検討
キーワード:CO2ハイドレート、CCS、CO2漏洩抑制、貯留層スケールシミュレーション
2015年に採択されたパリ協定では、産業化以前の平均気温より1.5 ℃未満の上昇で抑えることについて目標として掲げられたことや、一方で、IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change : 気候変動に関する政府間パネル)では、今後人類が取る選択によって将来の気温が変わるシナリオが提示されたこと等から、地球温暖化対策は人類が早急に進めていく課題となっている。しかし、人類が繁栄する中で温暖化対策となる設備投資の移行には長い年月がかかりその間にも排出される二酸化炭素の対応策として、排出された二酸化炭素を回収し地層深部に貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)の導入が世界で広がっている。
海底下貯留においては圧力と温度の条件次第で二酸化炭素がハイドレート化し堆積することで安定した貯留が可能となることが考えられる。ハイドレート貯留は、これまで考えられてきた海底下貯留に加え、さらなる貯留ポテンシャルの拡大につながる。そこで本研究では、地層内で起こる現象の理解のため、この現象を数値シミュレーションによって可視化することを目的とした。
先行研究として、Yu et al.( 2016 )は二酸化炭素が地層内を進行していく際に生成するハイドレートについて、生成する位置によって整理した新たなモデルを提案した。このモデルを水循環シミュレーションシステムGETFLOWS(GEneral purpose Terrestrial fluid-FLOW Simulator)に実装することで貯留層スケールでのハイドレート生成シミュレーションを実施した。ここでは代表的な海底貯留であるSleipner、Snøhvit、苫小牧を例に挙げ、海底深さ、海底温度、地温勾配、圧入レート、浸透率などを変数としたケーススタディーを実施した。
計算の結果、ハイドレート生成熱の拡散により、ハイドレートが既にできた領域の周りでハイドレートが生成しにくくなり、海底面へ漏洩することもあり得ることがわかった。上記条件パラメータを振った計算により、貯留できるケース、漏洩に至るケースにつき場合分けをすることができた。
海底下貯留においては圧力と温度の条件次第で二酸化炭素がハイドレート化し堆積することで安定した貯留が可能となることが考えられる。ハイドレート貯留は、これまで考えられてきた海底下貯留に加え、さらなる貯留ポテンシャルの拡大につながる。そこで本研究では、地層内で起こる現象の理解のため、この現象を数値シミュレーションによって可視化することを目的とした。
先行研究として、Yu et al.( 2016 )は二酸化炭素が地層内を進行していく際に生成するハイドレートについて、生成する位置によって整理した新たなモデルを提案した。このモデルを水循環シミュレーションシステムGETFLOWS(GEneral purpose Terrestrial fluid-FLOW Simulator)に実装することで貯留層スケールでのハイドレート生成シミュレーションを実施した。ここでは代表的な海底貯留であるSleipner、Snøhvit、苫小牧を例に挙げ、海底深さ、海底温度、地温勾配、圧入レート、浸透率などを変数としたケーススタディーを実施した。
計算の結果、ハイドレート生成熱の拡散により、ハイドレートが既にできた領域の周りでハイドレートが生成しにくくなり、海底面へ漏洩することもあり得ることがわかった。上記条件パラメータを振った計算により、貯留できるケース、漏洩に至るケースにつき場合分けをすることができた。