JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT17] 環境リモートセンシング

コンビーナ:島崎 彦人(独立行政法人国立高等専門学校機構 木更津工業高等専門学校)、近藤 昭彦(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、長谷川 均(国士舘大学)、石内 鉄平(宮城大学)

[HTT17-P03] エジプト、ニューバレー県のダハラ・オアシスとハルガ・オアシスにおける土地利用・土地被覆変化とその要因分析

*王 雪琛1近藤 昭彦2 (1.千葉大学融合理工学府、2.千葉大学環境リモートセンシング研究センター)

キーワード:極乾燥地域、土地利用・土地被覆変化、画像分類

極乾燥地域で利用できる水資源は地下水のみであり、農業の制約要因となる。極乾燥地域の土地利用・土地被覆変化(LUCC)とその要因の理解は、極乾燥地域における暮らしと生業の持続可能性を予測するための重要な課題である。本研究の目的は、典型的な極乾燥地域であるダハラ・オアシスとハルガ・オアシス(エジプト、ニューバレー県)における46年間(1973-2019年)の土地利用・土地被覆変化と、その要因を分析することである。本研究では、Landsat MSS(1973-1976年)、TM(1984-2011年)とOLI(2014-2019年)の衛星画像を使用し、オブジェクトベース画像分類(OBIA)分類方法を使用して土地利用・土地被覆を地図化した。十分な分類の精度を達成し、LUCCの解析を行った。本研究では5種類(農地、住宅地、水域、樹木、砂漠)のカテゴリーを設定し、ダハラ・オアシスとハルガ・オアシスの土地利用・土地被覆変化状況を把握した。解析した46年の間、ダハラ・オアシスとハルガ・オアシスの農地と住宅地の被覆面積は徐々に増加したが、砂漠が農地に変化することが特徴的だった。土地利用・土地被覆変化のタイプと農地面積の増加は、降水がほぼ0のダハラ・オアシスとハルガ・オアシスでは、地下水の消費が加速していることを意味している。本研究の結果がダハラ・オアシスとハルガ・オアシスの持続可能な開発のために有効な情報を提供することが期待される。