JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT17] 環境リモートセンシング

コンビーナ:島崎 彦人(独立行政法人国立高等専門学校機構 木更津工業高等専門学校)、近藤 昭彦(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、長谷川 均(国士舘大学)、石内 鉄平(宮城大学)

[HTT17-P04] Sentinel-2画像を用いたエジプトのダハラとハルガオアシスにおける高解像度灌漑地域マッピング

*あいふまる はりぷ1近藤 昭彦2 (1.千葉大学融合理工学府、2.千葉大学環境リモートセンシング研究センター)

キーワード:エジプト、オアシス、Sentinel-2、灌漑マッピング

国土の95%以上が広漠たる砂漠であるエジプトの農地は、ナイルバレーとデルタ、オアシス、およびシナイの耕地に限られている。ナイルバレーとデルタエリアの農業はナイル川と強く関連しているが、オアシスエリアの農業は地下水によって行われている。エジプトの地下水資源は主にヌビア砂岩帯水層系に依存している。1960年代にエジプトで始まった地下水開発以来、地下水位が低下し続けている(Iwasaki,2013、Gad M.I,2011).
農業における水資源の計画と管理には、さまざまな作物種類と作物の生育期について、空間的に明確にされた灌漑面積情報が必要である(A. Krishnankutty.A, 2016)。 エジプトのオアシスのような乾燥地域では、農業開発、水資源利用、管理計画を策定する上で、高い時空間分解能の灌漑マップを作成することは非常に重要である。
ここで我々は2015年から2019年までの10m空間解像度を持っているSentinel-2データを用いて、正規化された植生指数(NDVI)および正規化された水分指数(NDMI)からエジプトのダハラとハルガオアシスにおける高解像度の灌漑マップを作ることを目的とした。
灌漑マップは地上調査からの農業統計データを使用して評価され、以前に開発された灌漑マップと比較したところ、十分な精度を示した。研究地域では一年に2回の灌漑が行われ、灌漑エリアが年々増加していることに伴い,灌漑用水量も相対的に増えていることが分かった。統計データによると、2016年の地下水使用量は2015年度より1.5千立方メートル増加している。
この灌漑マッピングを基づいて、研究地域の農地についての灌漑用水使用量を明らかにすることができ、水資源の計画と管理、北アフリカにおける水利用の持続可能システムを構築するために役に立つ情報を得ことができる。