JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT18] 浅部物理探査が目指す新しい展開

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、青池 邦夫(応用地質株式会社)、横田 俊之(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、井上 敬資(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)

[HTT18-08] 稠密地震計アレイでのハイブリッド表面波探査中に観測された自然地震

★招待講演

*稲崎 富士1小河原 敬徳2小林 貴幸3 (1.土木研究所(現:産総研)、2.土木研究所(現:応用地質)、3.土木研究所)

キーワード:自然地震、表面波探査、浅部物理探査、表層速度構造、稠密地震計アレイ

直線的な測線上に多数の地震計を展開して稠密リニアアレイを構築し,測線上で起振しActive探査を実施するとともにPassive観測も行なうというハイブリッド方式の地震探査を提案し,表層地盤構造調査に活用してきている(稲崎・木佐貫,2015など).取得した波形記録のうち,表面波および微動の伝播特性から浅部のS波速度構造を推定する「ハイブリッド表面波探査」が主たる探査手段であるが,Active探査データに対して通常のP波反射法探査やSV波反射法探査を適用することも可能である(Inazaki,2013).
2019年2月21-22日にかけて,つくば市上郷地先の小貝川河川敷にほぼ南北方向に測線を設定し,2m間隔で240点に上下動型地震計を展開しハイブリッド地震探査を実施した.取得データはActive探査で250データ,Passive探査で約100データに達した.Active探査の測定条件は0.5msサンプリング/2.4秒記録,Passive探査では2msサンプリング/50秒記録とした.このうちActive探査時に自然地震のP波初動部を偶然とらえることができた,気象庁一元化震源リストによると,この地震の発生時刻は2019年2月21日15h13m45.2s,マグニチュード2.0,深さ45kmと見積もられている.震源地は茨城県南部で測線とほぼ直交する方向に位置し,震央距離は約20kmであったことから地震波は地震計アレイに対しほぼ鉛直下方から入射したとの解釈が可能であるが,観測地震波には30msを越える相対走時差が認められた.この走時差は主として表層の不均質構造に起因すると考えられる.そこで自然地震の走時差を表層スタティクス量とみなし,ハイブリッド地震探査解析結果と比較した.比較対象はActive探査に対するP波屈折法解析から求められる表層P波速度構造およびタイムターム,ハイブリッド表面波解析で得られたS波速度層構造である.これらは調和的で,測線北側で表層低速度層が厚くなり,また速度も小さくなる傾向が共通して認められた.またP波反射法解析に残差静補正を適用したところ,反射断面の品質を大幅に改善することができた.