JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI36] Open Science in Progress: Data Sharing, e-Infrastructure, and Transparency in International Contexts

コンビーナ:近藤 康久(総合地球環境学研究所)、Baptiste Cecconi(LESIA, Observatoire de Paris, CNRS, PSL Research University)、村山 泰啓(国立研究開発法人情報通信研究機構 戦略的プログラムオフィス)、Shelley Stall(American Geophysical Union)

[MGI36-10] TG-Data: 気候変動評価のためのデータ支援に関するIPCCタスクグループ

*河宮 未知生1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:IPCC、FAIRの概念、データ配信センター

TG-Data は、前身のTGICAから改称しIPCCの第6次サイクルから発足したタスクグループである。IPCCの第1-3作業部会やDDC (Data Distribution Centre)を構成するドイツ気候計算センター, 英国CEDA(Comprehensive Environmental Data Archive), 米国コロンビア大学地球研究所などと協力し、IPCC報告書に使われるデータのトレーサビリティ確保や永続的なデータ保管などの実現に携わることになっている。TG-Dataの目指すデータ信頼性を表す評語として、”FAIR”の概念がある。Findable, Accessible, Interoperable, Reusableの頭文字をつなげた略語で、大規模データの有効利用を目指す情報科学の分野では近年急速に広まっている概念であるが、TG-DataはIPCCの報告書作成プロセスにおいてFAIRの理念を実現しようとしている。第一歩として、AR6における各WGの「政策決定者向け要約」(SPM)に掲載される図に関し、使われているデータの透明性やトレーサビリティが確保できる状態を目指している。AR6のリードオーサらを対象に、IPCCのプロセスにおいてFAIRの理念を実践するための指針を作成している。こうした活動が実を結べば、一般の研究者らにとっても報告書に使用したデータの利用について利便性が高まる見込みである。