JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI39] データ駆動地球惑星科学

コンビーナ:桑谷 立(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、長尾 大道(東京大学地震研究所)、上木 賢太(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、伊藤 伸一(東京大学)

[MGI39-P05] 階層型クラスタリング(HCA)による地球化学的津波堆積物判別の数的評価

*佐藤 憲太1土屋 範芳1 (1.東北大学大学院環境科学研究科)

キーワード:津波堆積物、機械学習、階層型クラスタリング

歴史津波堆積物の判別については、粒度分布を利用した手法や、海生微化石の有無を利用した手法をはじめとして、いくつかの方法が提案されているが、多くは砂質堆積物に対する判別方法である。浸水域のより正確な把握のためには泥質津波堆積物を特定する必要があるが、その手法はいまだ確立されていない。その一方で、泥質津波堆積物は砂質津波堆積物と比較して、海洋性イオンの時間変化が少ないという研究結果もある。よって、地球化学的手法が泥質津波堆積物判別の有効な手法となる可能性がある。先行研究として、機械学習による泥質津波堆積物の判別手法があるが、非津波堆積物の教師データの定義が困難であり、未知試料への適応はいまだされていない。本発表は、津波堆積物の化学組成(主要成分+微量成分)を用いて、教師なし学習の応用による判別について検討を行った。また、未知試料への適応を行い、未知の津波堆積物の発見を試みた。東日本大震災による津波堆積物および東北日本に広く分布する鮮新世の内湾性海洋堆積物について、全岩化学組成を特徴量とし、階層型クラスタリングによる分類を行うことで、津波堆積物判別への有用性を検証した。精度を定量的に議論するため、クラスタ結果を津波堆積物が支配的なクラスタおよび非津波堆積物が支配的なクラスタに分類し、判別スコアを計算した。加えて、東松島市で採取された未知試料に同手法を適応することで、未知の津波堆積物の抽出を試みた。結果、津波堆積物と非津波堆積物を96.6%の精度で正しく分類することが出来た。また、本手法を未知試料に適応した結果、未知の津波堆積物の可能性を指摘することが出来た。本手法は従来の機械学習による判別手法と比較し、非津波堆積物の教師データが必要ではないため、より簡単に津波堆積物の判別を行える可能性がある。