[MGI41-10] 地質データのグリッド化と地球物理データとの相関
キーワード:シームレス地質図のグリッド化、地震波速度データ、重力異常データ
シームレス地質図は産業技術総合研究所地質調査総合センター(以下産総研)が,2005年より20万分の1スケールで日本全国の地質をWEB上で表現した地質図である. この地質図データをグッリド化するに当たっては, 産総研よりダウンロード出来るベクターデータを用いて, KMLファイルに変換し, すべてのポリゴン内の色情報で示された地質情報を読み取る方法を考案したが, 日本全国のポリゴン量は膨大であり,且つ閉曲線となっていない線分を閉じられたポリゴンに変換する手間のためにすべての地質情報をグリッド化することは困難であった. 一方,産総研のラスターデータを用いる事で,1ピクセルごとにX座標, Y座標, RGB値を抜き出すことは簡易である. このX,Y,RGBデータを経度, 緯度, 地質情報に変換することで,日本全国の地質データのグリッド化に成功した. この地質情報を地震波速度,岩石の密度や年代等の物理量に変換することで,各種地球物理データとの数値的な比較が可能となる. 地質情報のデータは物理探査学会(1981)の図表を参考にして,P波速度と密度に変換を行った. このP波速度と, Matsubara et al.(2017)の地震波速度データのP波速度との相関を調べた結果,両者に矛盾の無いことが確認された. また密度とブーゲー異常との比較を行った. ブーゲー異常は地殻の密度を一定と仮定した重力異常であるので,正の相関が表れることが期待され,これが確認された. 今後はこのグリッドデータと他の様々な地球物理データとの比較から多くの発見が期待出来るであろう.