JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS11] 地球掘削科学

コンビーナ:黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、氏家 恒太郎(筑波大学生命環境系)、Clive Robert Neal(University of Notre Dame)

[MIS11-P07] 付加体内部の希ガスの分布と起源をより正確に把握するためのカッティングスを用いた希ガスの分析法

*土岐 知弘1倉橋 周吾1高畑 直人2佐野 有司2,3 (1.琉球大学理学部、2.東京大学大気海洋研究所海洋化学部門大気海洋分析化学分野、3.天津大学表层地球系统科学研究院)

キーワード:カッティングス、希ガス、分析法、付加体

本研究では,カッティングスを真空中で粉砕して発生したガスを測定することにより,大気汚染の影響を受けていない希ガスのデータセットを取得した。これにより,大気平衡間隙水の寄与率を把握することができ,フィリピン海プレートのスラブから放出されるヘリウム同位体比も正確に求めることが可能となった。また,2003 mbsfよりも浅部に1503 mbsfを中心に水平方向からウェッジマントルからのヘリウムの供給があり,岩相及びガス分布の結果も考慮して,1000~1500 mbsf付近に分布する砂岩層が深部からのガス輸送の経路として働いている可能性が示唆された。泥ガスを用いたガス分析よりも,より正確な現場の情報を得る手法として,カッティングスを用いたガス分析を掘削時の希ガス分布調査の国際標準として提唱する。