JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS16] Rift-related tectonics, magmatism, mineralization, and paleoceanographic effects

コンビーナ:Luisa Tejada Maria(Department of Solid Earth Geochemistry, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)、Eun Young Lee(Chonnam National University)、Erik Wolfgring

[MIS16-P06] 片貝地域グリーンタフ層準における珪長質水底火山岩体の岩相分布の解明

*野中 美雪1,2八木 正彦1山田 泰生1海野 進3 (1.石油資源開発株式会社、2.金沢大学大学院自然科学研究科、3.金沢大学理工研究域自然システム学系)

キーワード:グリーンタフ、背弧リフティング、中新世、岩相、溶岩ドーム

“グリーンタフ”に関連する海底火山活動のメカニズム解明は島弧形成過程を明らかにする上で重要であることに加え、世界各地の海底火山活動の研究にも大きく寄与する。また、東北日本において“グリーンタフ”を貯留岩とする石油・天然ガス地域が数多く存在することから、”グリーンタフ“に関する研究はエネルギー資源賦存の観点からも必要不可欠である。本研究では、岩石学的アプローチにより新潟県中越地方に位置する片貝地域“グリーンタフ”層準における岩相分布モデルを構築し、一連の火山活動様式を明らかにした。

片貝地域は長岡市の南西約10kmに位置し、北北東-南南西方向に延びる全長5km、幅1.5km程度の背斜構造である。前~中期中新世に背弧リフティングに伴う海底火山活動により “グリーンタフ“が定置した後、根源岩となる七谷層および寺泊層泥岩が“グリーンタフ”を被覆、その後の構造運動により背斜構造が形成した。本層準の上限深度は約4,000m、層厚約1,000m以上となり下限は不明である。

本地域における十数坑井のカッティングス・コア試料の主成分・微量成分分析、岩石組織・産状の観察を行うとともに検層結果・FMI画像を併用し、火山岩体の分布および岩相について考察した。

本層準は流紋岩~一部デイサイト組成の珪長質の一連の火山噴出物を主体とし、玄武岩を伴う。噴出物の岩石種・組織・産状および分布の特徴に基づく層序学的区分は下記の通りとなる:

下位層は本地域の南部に分布し層厚は数10m程度以上、チューブ状に伸長した気泡を持つ軽石を主体とし、ガラス質の塊状流紋岩を伴う。これらは深海の非爆発的噴火により形成した流紋岩溶岩ドームとその外殻部と考えられる。中間層は本地域に広域的に広がり層厚は数100m、流紋岩の塊状溶岩・火山角礫岩・凝灰角礫岩~凝灰岩など多様な岩相がみられる。本層は岩体の中心から緻密なコヒーレント溶岩相・真珠岩相・ブロック状溶岩相・再堆積相からなる厚さ100~数100m, 幅数100~1,000m程度の珪長質火山岩体の複合体であると解釈されるが、北部坑井では縞状構造を伴う比較的ガラス質の塊状溶岩・角礫岩が卓越する。
玄武岩は、本地域北部および南部坑井の一部で最下位層に厚さ100m以上の玄武岩が分布するほか、中~上位層でも厚さ数10m規模の玄武岩~玄武岩質安山岩が限定的に分布する。いずれも填間状組織を呈し、“グリーンタフ”期のバイモーダル火山活動により定置した玄武岩溶岩流と考えられる。

本層準の火山噴出物の岩石学的特徴・層序および分布より、火山活動期における噴火様式の変遷が示唆された。本層準は深海における珪長質マグマおよび苦鉄質マグマのバイモーダル噴火よりなる。深海における非爆発的噴火により珪長質マグマは溶岩ドームを、苦鉄質マグマはシート状溶岩を形成した。珪長質マグマは、初期は比較的深海で南部に材木状軽石を伴う溶岩ドームを形成したのち、溶岩供給率の増加により中南部に複数の溶岩ドームからなる複合火山岩体を形成したが、北部の一部ではややガラス質の複合火山岩体が定置した。後期はやや浅海化した環境で広域にデイサイトが被覆したのち流紋岩に分化し、火山活動が終了したものと考えられる。