JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS21] ジオパーク

コンビーナ:田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)、尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)、大野 希一(島原半島ジオパーク協議会事務局)、有馬 貴之(横浜市立大学)

[MIS21-P09] 生涯教育における博物館の役割の日中比較――ジオパークの教育の役割を考察するために

*周 琦焜1 (1.和歌山大学大学院観光学研究科)

キーワード:ジオパーク、生涯教育、博物館の役割、日中比較

ジオパークが果たすべき教育の役割が社会の要求に応えているかは無視できない問題である。日本のみならず、現在生涯教育システムの構築が進む中国においてもジオパークは大変重要な役割を果たしている。生涯教育におけるジオパークの役割を検討するために、まず、ジオパークと類似しており生涯教育の取り組みの事例が蓄積されていると考えられる日本の博物館と中国の博物館に注目する。

日本と中国では管理制度と博物館に対する一般民衆の認識に大きな違いが存在している。教育の普及が早くから行われていた日本に比べ、中国では特に歴史的な影響で、教育の普及はまだ十分とは言えない。博物館はその問題の解決策の一つである。そのため、2008年から中国政府は国家財政から手当を出す形で博物館を入場無料にし、訪問者を増加することを図った。

このような違いがあるため、日中それぞれの博物館が生涯教育システムに果たす役割も違うはずと考えられる。そこで、日中それぞれの博物館の生涯教育に関する取り組みを調査し、整理することを試みる。

今回はまず日本の文部科学省(と中国教育部)や各博物館のウェブサイトで博物館に関する政策、規定と博物館と生涯教育に関する先行研究を整理し、生涯教育において日本と中国の博物館それぞれがどのような活動(特に社会教育の面で)を行っているか、どのような特徴的な取り組みを行っているかを調べる。それを踏まえて中国と日本の博物館の歴史、実施した政策などを比較し、それぞれ生涯教育における役割の異同をまとめて、生涯教育におけるジオパークの役割の問題にどう応用できるかを検討する。