JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS27] 地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ

コンビーナ:伊賀 啓太(東京大学大気海洋研究所)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、柳澤 孝寿(国立研究開発法人海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、相木 秀則(名古屋大学)

[MIS27-P08] ローレンタイド氷床に存在した巨大氷床湖の決壊について。

*庄司 義則

キーワード:アガシー湖、ローレンタイド氷床、寒冷化、ヤンガードリアス

最終氷期の北米大陸北部に、厚さ3,000m以上にも及ぶ巨大なローレンタイド氷床が形成されていた。そこにアガシー湖という巨大な氷床湖が形成され、その決壊が地球環境へ重大な影響を与えたという説が存在する。しかし、決壊の実態ははっきりしていなかった。そこで、NOAAから公開されている地形データを使い、自作ソフトを使って分析した。その結果、アガシー湖の水量は、これまでの説より遥かに少ない事が分かった。さらに、周辺の地形から見てアガシー湖は、大規模決壊するような湖ではない事も判明した。そこで、北米大陸の傾斜地図を作成したところ、アガシー湖付近に大規模決壊の侵食の痕とみられる地形が発見された。これにより、アガシー湖決壊は、別のさらに巨大な氷床湖決壊により引き起こされた事が判明した。本研究は、ローレンタイド氷床に存在した巨大氷床湖の決壊メカニズムと規模を考察したものである