JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS30] 地球科学としての海洋プラスチック

コンビーナ:磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所)、川村 喜一郎(山口大学)、岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、土屋 正史(国立研究開発法人海洋研究開発機構 地球環境部門)

[MIS30-P02] ⽇本近海における浮遊マイクロプラスチックの空間分布

*伊東 大輔1磯辺 篤彦2 (1.九州大学、2.九州大学 応用力学研究所)

キーワード:マイクロプラスチック、日本近海

現在世界中の海洋でマイクロプラスチック(5mm 以下のプラスチック⽚)が観察されてお り、海洋⽣態系に⼊り込み影響が出ることが危惧されている。例えば先⾏研究(Isobe et al., 2019)においては、2016 年 1 ⽉から 3 ⽉まで南極海から⽇本近海にかけてマイクロプラス チックの収集を⾏い、北半球と南半球で 1〜2桁ほど海⾯単位⾯積あたりで粒⼦数が異なることが明らかになった。
本研究では、⽇本近海における浮遊マイクロプラスチックの収束場所の特定と理由の解明を⽬的としている。2014年から継続して実施している観測から、東北三陸沖、秋田沖、四国南⽅、九州周辺が⾼濃度域となっていることが確認できた。⼀部海域にマイクロプラスチックが集まっている理由として、⾼濃度域近辺に海流が収束しているからではないかと考え、海流収束発散場とマイクロプラスチック濃度の関係を⽐較したところ、収束が強ければマイクロプラスチック濃度が⾼く、発散が強ければマイクロプラスチック濃度が低くなるという関係性は得られなかった。現在は、海流の流速データを使⽤する粒⼦の逆追跡シミュレーションで、収束するマイクロプラスチックの起源推定に取り組んでいて、この成果を講演する予定である。