[MSD47-08] 数値予報精度向上のための衛星搭載ドップラー風ライダーによる全球風観測
キーワード:Lidar、Doppler Wind Lidar、space-based observation、global wind profiling
数値予報において衛星観測システムの役割は、年々大きくなるばかりである。しかし、現在の衛星観測システムは、風観測に比べて温度や水蒸気に関連した観測に偏重しているという課題がある。また、現在の衛星風観測システムは、高い時間分解能で広範囲を面状に観測できるが、風速観測精度や高度分解能は十分ではない。レーザを用いるドップラー風ライダーは、衛星軌道に沿った狭い範囲の観測ではあるものの、高精度かつ高い分解能で風の高度分布が得られることから、現在の衛星観測システムの問題点(透き間)を解決するシステムとして、ESAは2018年8月に世界初の衛星搭載ドップラー風ライダーAeolusを打ち上げた。Aeolusのミッション期間は3年間であるため、次のドップラー風ライダーが期待されている。日本では衛星搭載度ドップラー風ライダーを実現するために、2011年より、情報通信研究機構、宇宙航空研究開発機構、気象庁・気象研究所、大学他とともに、衛星搭載ドップラー風ライダーのシステム検討や数値予報への影響評価を実施してきた。本発表では、2019年度に実施した衛星搭載に関する実現性検討について報告を行う。