[MTT52-09] MOMO3観測ロケットによる中層・高層大気中における低周波音/可聴音伝搬特性の直接計測
キーワード:ロケット、インフラサウンド、大気
地球大気中の気圧、温度、密度、風、および組成(特に湿度としての水蒸気の比率)の変動およびその高度プロファイルは重要なパラメーターであり、その理解のための調査が進められてきた。本研究では民間会社が運用する観測ロケットを用いて高層大気中の音波伝搬特性を求めるとともに、音波伝搬路の大気モデルとの実測の比較及び検証を行った。
MOMO3ロケット実験が2019年5月4日に北海道大樹町にて行われた。実験用に打ち上げた花火の音やロケット自体の打ち上げ時に発生する可聴音およびインフラサウンドを音源とし、地上観測とロケット搭載機器による直接計測データとの比較から中層~超高層大気における音波伝搬特性を求めるとともに、音波伝搬路の大気モデルとの比較および検証を行うことを目的であった。
MOMO3搭載のペイロードであるINF03D型インフラサウンドセンサのデータは、地上局とのテレメトリ通信が成立した飛翔後282.5秒までの間、地上から(0㎞)から高度113 kmのロケット上昇時及び高度104kmまでの下降時の一部の時間帯についてデータを取得した。INF03Dで取得したデータを図1に示す。MOMO3のペイロードデータには急激な変動が見られることから、中層高層大気中で何らかの音波イベントを検出した可能性がある。ペイロードデータの最初のT+120秒まで(Tは打ち上げ時刻)はロケット燃焼音をセンサが計測しており、一部の時間帯では値が完全に飽和している。音圧の値はT+120秒まで激しく変動し、その後T+200秒にかけて、徐々に変動が小さくなり、以降に4つの特徴的信号をとらえた。
MOMO3実験は約T+200 秒までロケット自身が発生させた衝撃波をペイロード内のセンサが連続的に計測した可能性があり、T+200秒以降の4つの波形は、花火音などが上空で温度や風速プロファイルの急激な変化などで屈折し、その音をセンサで計測した可能性がある。
本研究ではMOMO3ロケット実験データおよび音波伝搬モデル計算を用いて、花火音による音波伝搬特性の解明を試み、解析に用いた手法は、音源予測に有効だと結論づけられた。しかし、解析に必要となる温度及び風の高度プロファイルモデルから得られるは平均値であり、ロケットを打ち上げた時の高度毎のパラメーターではない。1回のロケット実験データでは、音源の予測はできてもその明瞭な特定には至らず、MOMO5以降のロケット実験と比較し、その検証を行っていく。
MOMO3ロケット実験が2019年5月4日に北海道大樹町にて行われた。実験用に打ち上げた花火の音やロケット自体の打ち上げ時に発生する可聴音およびインフラサウンドを音源とし、地上観測とロケット搭載機器による直接計測データとの比較から中層~超高層大気における音波伝搬特性を求めるとともに、音波伝搬路の大気モデルとの比較および検証を行うことを目的であった。
MOMO3搭載のペイロードであるINF03D型インフラサウンドセンサのデータは、地上局とのテレメトリ通信が成立した飛翔後282.5秒までの間、地上から(0㎞)から高度113 kmのロケット上昇時及び高度104kmまでの下降時の一部の時間帯についてデータを取得した。INF03Dで取得したデータを図1に示す。MOMO3のペイロードデータには急激な変動が見られることから、中層高層大気中で何らかの音波イベントを検出した可能性がある。ペイロードデータの最初のT+120秒まで(Tは打ち上げ時刻)はロケット燃焼音をセンサが計測しており、一部の時間帯では値が完全に飽和している。音圧の値はT+120秒まで激しく変動し、その後T+200秒にかけて、徐々に変動が小さくなり、以降に4つの特徴的信号をとらえた。
MOMO3実験は約T+200 秒までロケット自身が発生させた衝撃波をペイロード内のセンサが連続的に計測した可能性があり、T+200秒以降の4つの波形は、花火音などが上空で温度や風速プロファイルの急激な変化などで屈折し、その音をセンサで計測した可能性がある。
本研究ではMOMO3ロケット実験データおよび音波伝搬モデル計算を用いて、花火音による音波伝搬特性の解明を試み、解析に用いた手法は、音源予測に有効だと結論づけられた。しかし、解析に必要となる温度及び風の高度プロファイルモデルから得られるは平均値であり、ロケットを打ち上げた時の高度毎のパラメーターではない。1回のロケット実験データでは、音源の予測はできてもその明瞭な特定には至らず、MOMO5以降のロケット実験と比較し、その検証を行っていく。