JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT52] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

コンビーナ:山本 真行(高知工科大学 システム工学群)、新井 伸夫(名古屋大学減災連携研究センター)、市原 美恵(東京大学地震研究所)、乙津 孝之(一般財団法人 日本気象協会)

[MTT52-P05] 小型インフラサウンドデータロガーの開発と試験運用

*井上 祐一郎1山本 真行1 (1.高知県公立大学法人高知工科大学)

キーワード:インフラサウンド、データロガー

周波数20 Hz以下の低周波域の微気圧波であるインフラサウンドは、空気中を伝搬する際の減衰を受けにくく長距離伝搬しやすい特性がある。高知工科大学宇宙地球探査システム研究室は2019年に企業との共同開発により低コストかつ小型なインフラサウンドセンサの製品化に成功した。本研究では、従来型やノートPCより小型かつ省電力なインフラサウンドデータロガーの開発と、ロガーの長期安定運用を目的とする。また、小型であることを活かし、手軽に観測を行えるロガーの開発も目的とする。
 開発したロガーは小型インフラサウンドセンサ(INF04LE)で観測したデータをRaspberry Pi Zeroで保存するものであり、2019年9月から現在まで研究室内で連続運用中である。さらに、開発した試作ロガーを用いて2019年11月24日から12月8日の15日間、ノルウェーのスヴァールバル諸島にて寒冷地試験を行い、正常にデータ取得が行えることを確認した。
 今後は定点設置型ロガーと臨時観測型ロガー、それぞれ別の機能を持ったロガーの設計を行う予定である。小型インフラサウンドセンサー(INF04LE)が後発のセンサであるため、既存のセンサと並行観測を行って同じ事象の観測データ比較を行う必要がある。そのため、何らかの大きい地球物理学的イベントが発生したタイミングで解析を行う必要がある。さらに、ロガーの死活管理、データグラフ表示システムの開発も行う予定である。臨時観測型ロガーについてはより省電力化、オペレーションの簡略化などを行い、電力事情の脆弱な条件下でも誰にでも扱えるロガーを目指す。
 本研究では小型インフラサウンドセンサを用いた試作ロガーの開発を行った。現在までに試作機の開発を行い、実際に観測を行っている。改良すべき点が存在するため、今後も開発を行うと共に、長期安定運用試験も行う予定である。