JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ57] 海底マンガン鉱床の生成環境と探査・開発

コンビーナ:臼井 朗(高知大学海洋コア総合研究センター)、高橋 嘉夫(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、鈴木 勝彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構・海底資源センター)、伊藤 孝(茨城大学教育学部)

[MZZ57-06] 北西太平洋のコバルトリッチクラスト周辺に生息するメガフォーナ及び端脚類の生物多様性評価への江戸っ子1号の応用

*池内 絵里1井口 亮1横岡 博之2杉島 英樹2池田 和正3三輪 竜一4西島 美由紀1岩崎 望5田中 裕一郎1國島 大河1,6加藤 正悟7湊谷 純平7五十嵐 吉昭7岡本 信行7鈴木 淳1 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2.いであ株式会社、3.岡本硝子株式会社、4.海洋エンジニアリング株式会社、5.立正大学地球環境科学部、6.和歌山県立自然博物館、7.独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

キーワード:コバルトリッチクラスト、江戸っ子1号、メガフォーナ、端脚類

本研究では、深海域でのメガフォーナの高解像度画像を取得し、コバルトリッチクラストを有する海山間での生物多様性比較を行うために、江戸っ子1号と呼ばれるフリーフォール型深海カメラランダーを用いた。その結果、アーノルド及びスクリプス海山(JA03・JA17海山)から、刺胞動物、環形動物、節足動物、棘皮動物、脊椎動物を含む32分類群を確認した。群集解析の結果、深度間で群集組成に顕著な違いがあることが明らかとなった。更に同時に、我々は自作のシリンダータイプのベイトトラップを江戸っ子1号に設置し、深海域においても多様化が進んでいる端脚類の採取も試みた。その結果、我々は、生活形質の異なるいくつかの種を含むであろう、多くの端脚類サンプルを採取することに成功した。これらのサンプルを対象に、COI DNAバーコーディングと分子レベルでの操作的分類単位を元にした群集解析においては、その群集は深度及び海山間で異なることを突き止めた。我々が今回実施した、コバルトリッチクラスト周辺での江戸っ子1号の試行は、今後深海開発プロジェクトにおける環境ベースライン研究や影響評価を促進する上での本装置の可能性を示すものである。