[O02-08] 日本の住宅ストックの強風脆弱性分析と耐風性能向上策の提案
★招待講演
キーワード:減災、被害調査、費用対効果、住宅ストック
20世紀半ば以降日本の建設技術は格段に進歩したにもかかわらず、台風による強風被害は特に住宅において依然として顕著である。実際、2018年台風21号や2019年台風15号は、それぞれ近畿地方および千葉県南部を中心に甚大な被害をもたらした。本発表では、これらの台風に対する被害調査を通じて再確認された、築年が古い住宅の被害率が特に高い水準にあるという事実を起点に、日本の住宅ストック全体の耐風性能を向上するための方策を提案する。提案する方策は、新築住宅の耐風性能向上に重点をおくのではなく、既存の住宅の耐風性能の向上である。具体的には、強風により被災した住宅の部位(例えば屋根ふき材)において、現状より高い耐風性能を有する建材を用いて部位全体の改修を行うものである。本発表では、本提案に関する課題分析および費用対効果に関するシミュレーション結果を紹介しつつ、実現可能性を論ずる。