JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-04] 高校生によるポスター発表

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

[O04-P10] 室戸高校避難所対応マニュアルへの提案–避難所周辺の地理/地質的状況を反映して-

*渡邊 みさき1、*橋本 くるみ1 (1.高知県立室戸高等学校)

キーワード:避難所運営、避難所と周辺環境、地震津波防災

本研究は高知県立室戸高校作成の「避難所対応マニュアル」(以下「マニュアル」)が想定する校内設備が、想定通り避難所として機能するのかを、室戸高校の周辺の地形や地質をもとに検証するものである。
 室戸高校敷地内には主に通常教室として使用されている北舎、視聴覚室などの特別教室がある南舎、体育館、グラウンドなどがある。「マニュアル」では地震発生時、それら教室や施設ほとんどが避難者や災害対策本部設置のために開放される。しかしそれぞれの教室を目視で確認する限り、すでに壁面にひび割れがある場所が多くある。本震、余震と何度か強い揺れを体験することが推測できるか、そうした揺れに耐えられるのか不安が残る。
 さらに各教室には収容予定人数がそれぞれ記載されているが、机や椅子などの教室内に設置されている備品を加味しての数字なのか、そうした教室内備品の被災時収納場所などについても明記されていない。
 学校設備以外にも不安な点がいくつかある。高知県が公開している防災マップにおいて、室戸高校の位置する場所は「液状化の可能性が大」とされるエリアに含まれている。同じく県発行の防災マップは、生徒らの第一次避難所として指定されている体育館の裏に位置する傾斜地が、崩壊の可能性があることも示唆している。地形の問題として、近くを流れる室津川(むろつがわ)の氾濫も、避難所運営に影響を与える可能性がある。
 しかし周辺の地質的、地理的な条件を挙げて「室戸高校は避難所として指定しない」という結論は、高知県、室戸市、室戸高校がこれまで連携して取り組んできた避難所運営を否定することになる。そこで本研究では、室戸市防災対策課、室戸ジオパーク推進協議会などの協力を得ながら、上記のような学校立地条件の中でどの教室や校内設備なら安全に使用できる可能性が高いのか、またどうすることで安全使用可能性を上げることができるのか、ということを明らかにする。