[O04-P21] 紫外線の強度を反応染料で染色した綿糸の退色の程度で指標する
キーワード:反応染料、紫外線強度、退色
紫外線にさらすと、衣類の色が退色する。反応染料で染色した綿糸の退色の度合いで、紫外線の強度を指標できると考えた。青、黄、赤の3色の綿糸に紫外線を照射した結果、以下の3点を明らかにした。(1)紫外線は繊維そのものにダメージを与え、照射6日目以降は強度が極端に低くなる。(2)青糸と赤糸では、照射6日目まで、シアンに対するマゼンタの割合が減少して退色する。これは、マゼンタが紫外線によって壊されたことを示す。(3)黄糸にはこの傾向が見られず、青糸や赤糸に比べて退色しにくい。紫外線を照射し続けると、特にマゼンタの割合が低下して退色する。染料は、紫外線によって励起状態となり、元の状態に戻る途中で分子内の化学結合が切れて壊れてしまう。特にマゼンタのような赤系の色素は、その補色である青系の光をよく吸収する性質をもっているため、紫外線を吸収しやすく壊れやすい。シアンに対するマゼンタの染料の割合によって、紫外線の強度を指標化することができる。