JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-04] 高校生によるポスター発表

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

[O04-P36] 爆弾低気圧の発達条件

*飯田 穀1 (1.東京都立戸山高等学校)

キーワード:黒潮、温度差、海面フラックス

本研究では,急速に発達する温帯低気圧である爆弾低気圧の中にも,その中でも激しい発達を見せる爆弾低気圧と爆弾低気圧であることが確認できる最低限の発達を見せる爆弾低気圧と双方が存在することに注目し,爆弾低気圧でありながらその中でも激しい発達を示す爆弾低気圧はどのような条件下においてそのような激しい発達を示しうるのかということを調べた.
第一に,JAMSTEC(海洋研究機構)の示していた,黒潮の存在が爆弾低気圧の発達を助けるという研究結果を参考に,暖流である黒潮がもたらす暖気と爆弾低気圧の最盛期である冬季の北方からの寒気によって生み出される寒気と暖気の温度差が爆弾低気圧をより発達させているということ,またその際にエルニーニョ現象が発生していると,日本近海の冬季の海水温が上昇し黒潮がもたらす暖気との温度差が縮小することによって黒潮付近に特に急速な発達を見せた爆弾低気圧が集合するという傾向が弱まるということが分かった. 第二に,爆弾低気圧を発達させる要因となる,海面から大気中へ放出されるエネルギー量の指標となる海面フラックスというデータに注目し,爆弾低気圧は自身の発達による大きな風速によって周囲の海面の海面フラックスの値を上げ(すなわちエネルギーをより多く大気中に放出させ),そのエネルギーを受け取って更なる発達を示すということが分かった.