JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-04] 高校生によるポスター発表

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

[O04-P44] 回折格子を用いた流星の分光観測

*三野 正太郎1、*佐藤 優衣1 (1.宮城県古川黎明中学校・高等学校)

キーワード:流星、分光観測、回折格子

本研究の目的は,大きく2つある。流星の分光観測を行い,流星の分光画像の輝線から流星に含まれる元素を推測すること。多地点同時観測を行うことにより,流星の発光高度を推測することである。



流星群の活動が活発な時期に分光装置を取り付けたデジタル一眼レフカメラを空に向けて連続撮影をした。その後,撮影できた流星の分光画像について,スペクトル管を利用した校正作業によって,元素を推測した。



これまでに50万枚以上撮影し,49枚の流星の分光画像が得られた。

2017年のふたご群では,28枚の流星の分光画像が得られた。MgⅠを推測できた流星は27例あったのに対し,NaⅠを推測できた流星は18例であり,MgⅠよりNaⅠが少なかった。このことから,Naは揮発性元素のため,ふたご群の流星物質が生成された時期は,他の流星群の流星物質が生成された時期よりも時間が経過していると考えられる。

また,ペルセウス群では10枚中9枚,オリオン群では5枚中5枚とペルセウス群とオリオン群の多くで,酸素禁制線の輝線を推測できた。この結果は,これらの流星群が他の流星群よりも流星の対地速度が速いためと考えられる。

さらに,2017年のふたご群にて,2地点から同時に同一の流星を観測することができ,その流星の発光高度を推測した。その結果,その流星は95km以上で発光していたと推測することができた。また,この流星の発光には酸素禁制線発光があったことを推測できた。今回の高度の推測より,酸素は,酸素禁制線発光を95km以上では行えるということを推測できた。