JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-05] 日本のジオパークから日本列島の成り立ちを知る

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、市橋 弥生(佐渡ジオパーク推進協議会)、今井 ひろこ(コムサポートオフィス/和歌山大学国際観光学研究センター)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)

[O05-P03] パートナーシップで実現する持続的な普及活動「石の標本づくり in 白山手取川ジオパーク」

*鬼頭 雄也1平井 佐利1玉村 清文1日比野 剛2中野 加織里2森下 知晃3平松 良浩3浜田 麻希3 (1.一般社団法人石川県地質調査業協会、2.白山手取川ジオパーク推進協議会、3.金沢大学)

キーワード:ジオパーク、パートナーシップ、地域、アウトリーチ、持続可能な発展

地球科学の視点で地域を見つめ,様々な立場の人が協働すること,これがジオパークの醍醐味のひとつといえる.私達が目指すのはジオパークというフィールドで,各々が掲げる目標を理解,共有し,パートナーシップで達成することである.地域に積極的に関心を持ち,ともに考え,行動を起こすことが,地域の持続可能な発展のために私達がすべき一歩だと考えている.
私達は2017年度より,小学生とその保護者を対象としたイベント「石の標本作りin白山手取川ジオパーク」を開催している.今年度で3回目となったこのイベントはジオパークというフィールドを活用し,未来を担う子供達に対して,身近な自然に触れることから地球環境への理解を促し,自然科学への興味につなげてもらえるような活動を目指している.
2019年度は10月5日の土曜日に,小学校4年生以上の児童とその保護者28組が参加して開催された.子供達は石の種類や見分け方などを教わった後,学生や留学生とともにハンマー,ルーペ,薬液なども体験しながら,石の標本づくりを行った.自分の足下にある「身近な石」の成り立ちから大地の成り立ちを知り,大地がもたらす恵みや災いなど人々の生活との関わりを知るきっかけになることを願っている.
この3年間の活動を通して,子供達だけでなく保護者の方々からも石や自然に対する好奇心の強さを知ることができた.また,イベント後におこなったアンケートにより,子供達は石以外に化石や宝石といった「身近な自然」に強く興味を持っていることが分かったことから,この「身近な自然」をテーマにした新たな試みも模索している.私達はジオパークとともに,地域の持続可能な発展やその担い手の確保・育成につながる活動を,今後も継続していきたいと考えている.