JpGU-AGU Joint Meeting 2020

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[J] ポスター発表

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[O-05] 日本のジオパークから日本列島の成り立ちを知る

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、市橋 弥生(佐渡ジオパーク推進協議会)、今井 ひろこ(コムサポートオフィス/和歌山大学国際観光学研究センター)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)

[O05-P09] Mine秋吉台ジオパークにおける鉱山遺構の活用

*小原 北士1楢崎 知行1村谷 智子1Tristan Gray1倉増 裕1末岡 竜夫1柚洞 一央2脇田 浩二3 (1.Mine秋吉台ジオパーク推進協議会、2.公立鳥取環境大学、3.山口大学)

キーワード:Mine秋吉台ジオパーク、日本ジオパーク、ジオパーク活動、鉱山遺構、持続可能な開発目標

Mine秋吉台ジオパークでは、奈良時代から銅鉱石の採掘と銅の製錬を、明治時代に入ると無煙炭(石炭)の採掘や、石灰石や大理石の採掘と石灰の生産を行うなど、昔から鉱業が盛んに行われてきた。戦後は、石灰石の大規模な採掘が始まり、高度経済成長期における国内のセメント需要を支え、現在に続く一大産業となった。
エリア内には、こうした鉱山遺構が数多く遺されているが、それらを活用するためには、次のような課題を解決する必要がある。1)鉱山で働いていた方が少なくなってきており、当時の様子が不明確であること、2)民間事業者は、安全上の理由により、自社が所有する土地での活動を懸念していること、3)草刈等の定期的な維持活動が必要であること、4)構造物が老朽化していることである。
これらの課題を解決するため、特に、無煙炭の採掘を行った炭鉱跡や石灰を生産した石灰窯跡について、私たちは次のような活動を始めた。1)鉱山で働いていた方への聞き取り調査、2)民間事業者や図書館が所有・所蔵している当時の写真・文献資料の収集・データ化、3)土地利用に係る民間事業者との交渉、4)住民団体との協働である。
私たちは、こうした活動をジオツアー等に反映させ、それらに参加する地域住民や観光客が、資源の保全と利用について考え、行動をおこすきっかけになることを期待している。これは、SDGsの7番「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や12番「つくる責任 つかう責任」の達成にも寄与すると考える。