JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-05] 日本のジオパークから日本列島の成り立ちを知る

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、市橋 弥生(佐渡ジオパーク推進協議会)、今井 ひろこ(コムサポートオフィス/和歌山大学国際観光学研究センター)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)

[O05-P14] 複数自治体で取り組むジオパーク活動 ~山陰海岸ジオパークの例~

*郡山 鈴夏1山陰海岸ジオパーク 推進協議会 (1.山陰海岸ジオパーク推進協議会)

2020年1月現在、日本国内には44の日本ジオパークネットワーク加盟認定地域があり、そのうち9地域がユネスコ世界ジオパークネットワークに加盟認定している。その活動内容や取り組みは多岐にわたるが、国内ジオパークの多くは、予算面や運営面でジオパークを構成する地元自治体が重要な役割を果たしていることが多い。

山陰海岸ジオパークは京都府京丹後市、兵庫県豊岡市・香美町・新温泉町、鳥取県岩美町・鳥取市の3府県3市3町で構成されるユネスコ世界ジオパークである。2008年に日本ジオパーク認定、2010年に世界ジオパークに認定された。

山陰海岸ジオパークの運営においても、運営予算のほぼ全てを地元自治体からの負担金で賄い、ジオパーク推進協議会事務局の職員のほとんどが府県市町からの派遣職員で構成されている。自治体が主導するジオパーク活動といえる。
活動の当初から、府県市町をまたいだ取り組みには大小様々な問題が生じており、2017年の日本ジオパーク委員会の再認定審査でも、行政主導の運営体制や3府県で多様な関係者が存在するにもかかわらず、それらを事務局がコーディネートできていないなどの厳しい指摘がされている。現在、これらの課題解決に取り組んでいる真っ最中である。課題は複数存在する一方、10年間複数自治体にまたがるジオパークの運営を行ってきた山陰海岸ジオパークには、広域ジオパーク運営のノウハウも蓄積されている。広域、複数自治体だから取り組めた事例も少なくはない。複数自治体で一つのジオパーク活動に取り組むことに関して、良い点、課題である点の両面から議論を行い、改めて複数自治体でジオパーク活動に取り組む意義を考えていく。