JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-05] 日本のジオパークから日本列島の成り立ちを知る

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、市橋 弥生(佐渡ジオパーク推進協議会)、今井 ひろこ(コムサポートオフィス/和歌山大学国際観光学研究センター)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)

[O05-P19] 五島列島ジオパーク構想における双子水晶(日本式双晶)産地保護の取り組み

*安井 万奈1岩田 晃一2唐津 博孝2細田 一郎2 (1.早稲田大学理工学術院総合研究所、2.五島市総務企画部政策企画課 ジオパーク推進班)

キーワード:五島列島ジオパーク構想、鉱物産地保護、日本式双晶

2019年(令和元年)の日本ジオパーク委員会において、五島列島ジオパーク構想の日本ジオパーク認定は「見送り」の結果となった。五島列島ジオパーク推進協議会では日本ジオパーク委員会から示された審査結果報告書を踏まえて、課題の解決とともにこれまで以上にジオパーク活動の理解や認知度向上に取り組むことを目標として様々な活動を続けている。その一環として、奈留島で産する双子水晶(日本式双晶)の産地保護の活動を報告する。
 奈留島は古くから研究者や鉱物愛好家の間では双子水晶(日本式双晶)の非常に有名な産地として知られており、その詳細な産出地点も多くの文献やガイドブック、インターネットなどで紹介されている。近年では、インターネットで「奈留島産日本式双晶」として高額で販売されているため、天然記念物として採取が禁止されているにも関わらず、販売目的での水晶岳での乱獲が後を絶たない。島民にとっては双子水晶として親しまれている日本式双晶も、かつてのように見つけることが難しくなってきており、島全体で保護して行くことが急務であると思われる。
 本取り組みでは「ジオパークの仕組みを活かしながら、貴重な自然遺産を守りつつ、五島市民や観光などで訪れる方々に深みのある五島列島の魅力を伝えていき、郷土愛の醸成や交流人口の拡大につなげていく」という五島市の理念をもとに、奈留島全体で双子水晶(日本式双晶)の産地を守りつつ、魅力あるジオサイトとしてどのように維持管理していくかを島民とともに考えていくことに重点をおいている。ポスターでは島民の理解・協力を目的とした双子水晶(日本式双晶)の説明会、双子水晶(日本式双晶)産地の現状、産地保護の必要性と実行可能な取り組みを紹介する。